編集長コラム 
vol.03: 「この人に賭けてみよう!」そう思える人との出会いはありますか?
2003年11月10日(日)

 今日は、結構ストレートな話です。
 
 大阪本社の省エネ・環境機器メーカーである株式会社ビィワンファクトリー。その東京営業所長である田村英城さん(32歳)は、4度の転職を重ねて、迷いなく働ける道を見つけました。取材の中で「社長のために頑張れるんです」とキッパリとおっしゃられた。「社長に成功者になってほしい。そのとき僕も少しは成功したかな、と思えるはずなんです」―。
 
 田村さんが頑張り続けられるもうひとつの要因は、自社商品が本当に顧客に役立ち、さらには世界の環境問題に必ず役立つ、という確信にありました。しかし、ここでは“経営者のために頑張れる”部分にスポットをあててご紹介します。ビィワンファクトリーは、現在急成長を続けており、大阪府知事から表彰をされるなどとかなり注目をされている会社です。社長は現在40代半ばで、多くの有名企業経営者や著名人を輩出している大手情報出版会社の出身。「社長の実力はこんなものじゃないと思うんです。成功した経営者として有名になった他のOBと遜色ない結果が出ておかしくない。僕がもっとしっかりしていれば・・・」そう田村さんは言います。

 田村さんは京都府出身。高校を卒業後、ちいさな呉服商社で2年間働き、そののち、その大手情報出版会社に準社員として入社しました。その時の上司が今の社長です。この会社では超有名大学出身の若い人たちが、高いモチベーションで昼夜なく働いていました。「要領よく働いて」太刀打ちできる同僚たちではない。上司の明るいリーダーシップのもと、“時間で勝負”とばかりにコツコツと実績を積み上げていきました。毎日深夜まで、土曜も日曜もたいてい会社で過ごしました。その努力を上司は、しっかり見ていたのです。
 
 上司が独立して起業。しかし田村さんも参加したその起業は失敗。別の会社で働くことを余儀なくされましたが、そこでは「自分らしい」働き方は見つけられませんでした。

 社長は再起をかけて会社を興し、1年後再び「手伝ってくれないか?」と田村さんを誘いました。
 2年前、企業成長のための最大課題だった東京マーケットの開拓を田村さんに託しました。京都を中心にして、関西でしか働いたことのなかった田村さん。初めての東京での生活・仕事にためらいと不安の気持ちも強かった。しかし自分を信頼してくれる社長のために頑張る決心しました。「自分しかいないじゃないか」。田村さんの奮迅の活躍で、東京の売上は急上昇しています。

 「経営者のために頑張る」―― そう言うと一昔前までの古臭い考え方、と思われるかもしれません。しかし「従業員個々人の人間的成長」を通じて「企業の成長」を考えるすばらしい経営者もいます。そんな経営者との出会いを田村さんは得ました。そしてその人から頼りにされることの嬉しさ。働くモチベーションとしてこれはかなり強いはずです。
 
 もうひとつ注目すべきことがあります。転職を推奨するわけではありませんが、田村さんが4つの職場を経験していることにあります。どの職場でも決して手を抜かず、周囲の働き方にひきずられすぎることなく、またあせることなく、田村さんはコツコツと「自分らしく」働きつづけました。その中で、田村さんは、もっとも「自分らしく」働ける場の条件を見つけたのです。またその働く姿をしっかりと見てくれている人がいました。だからこそ、社長から2度までも誘われたのです。
 
 決して、自分らしく働くことをあきらめてはいけないんだ、そう私は実感させられました。

 100人に100通りの「働き方」。バブル崩壊後に社会に出た今の30歳は、自分で自分の「働き方」を決める「新しい時代のトップランナー」です。そしてどんな「働き方」を決断しようとも、最終的に決して後悔をすることのない唯一の観点があります。
 「あなたが頑張って働くことは、自分以外の誰のためですか?」
 家族のため、職場の仲間のため、自分を信頼してくれる人のため、お客様のため、地域のため、社会のため…。迷い少なく働いている30歳は、みんなこの観点が明確です。
 このコラムでは、取材などで出会った方々から学んだこと、気づいたことを、そんな観点から説明していきたいと思います。

★編集長:宮崎 健(ミヤザキ タケシ)

 NPOワーカーズ・オープンコミュニティ・エイド(WOOCA)代表
1962年生まれ。株式会社リクルートに16年間勤務。数百社の採用・研修・CI・広報・イベント企画と、メディアの企画立案・組織オペレーション、働く人のモチベーション研究などに携わる。2002年6月独立し、現在に至る。
詳しい経歴はこちら
編集長へのメールはmiyazaki@kyoto30.comまで。
トップページに戻る
(c) 2003 WOOCA. All rights reserved.