編集長コラム 
vol.07: 永遠のテーマ「相手の立場に立つ」(2)  2003年12月7日(土)

 なぜ相手の立場に立つ努力をすると、コミュニケーションが前に進んでいくのか?―― 
 答えは簡単です。こちらが懸命に相手の立場を理解し、少しでも役に立とうとする姿勢が相手に伝わり、相手もこちらの立場に立とうとしてくれるようになるからです。答えは簡単でも、実際にやるとなると結構むずかしいのですが・・・。

 前回も言いましたが、人間は誰しも“自己チュー”です。何かを考えているとき、たいていは自分という人間のことを中心にして考えています。特に物事がうまく進んでいない時には、その傾向がますます強くなります。ですから常日ごろ、全身全霊で相手の立場に立ち続けることなんて不可能です。大切なのは「できる限り相手の立場に立つ努力をしよう」と決めること。まずは自分自身でそう決めることがもっとも大切です。そして少し余裕ができたときや、何かに行き詰ったときに、誰かの立場に立つ努力をしてみることです。

 誰かと打ち合わせするとき、できれば事前に相手の立ち場や状況を考えてからその場に着ければベストです。しかし、分単位で動いているビジネスの世界ではそれはなかなか難しいことです。そんなときに私は、自分の目の前で私を見ている、その人の目に写っている自分の画像を想像して見る努力をしています。

 「そこに写る画像の私は、相手の立ち場に立ちその人に役立とうとしているだろうか?」 そこから、相手はそもそも「私にどんな気持ちで会っているのだろうか?」「相手はどんな状況だったか?」「どんなことを実現したかったのか?」・・・と、そんな流れで、頭をギュルギュルと急回転させます。

 何度も言いますが、相手の立ち場に立つことは、いつもいつもはできません。でも「できる限り相手の立ち場に立つ努力をしよう」と決めていますから、時折それを思い出すことができるのです。思い出したら、「頑張れ!俺!」「頑張れ!俺!」と自分を懸命に応援をして、少しでも努力をするようにしています。

 こういうことを決して焦らずに続けていくと、面白い現象に出くわします。相手が自分の立ち場に立って話をしていると、そうした相手の気持ちがわかるようになるのです。「あちゃー」っていう感じですね。特に自分が自己チューに会話を進めているときに多いのですが、「いかん、いかん。俺も相手の立ち場に立ち戻ろう!」という思いになれる。そんな風に、また『相手の立場に立つ』頻度があがっていくのです。

 自然と相手の立場に立ってものごとを考えられる、そんな素晴らしい方にも時々お会いします。それは本当に小さな時から、そんな風に育てられてきたんだろうなー、と思います。たぶん大半の方が、私と同じようなところからのスタートだと思うんです。決して効果が目に見えて上がることではないですが、そうした努力を続けること、一緒に頑張ってみませんか?

 100人に100通りの「働き方」。バブル崩壊後に社会に出た今の30歳は、自分で自分の「働き方」を決める「新しい時代のトップランナー」です。そしてどんな「働き方」を決断しようとも、最終的に決して後悔をすることのない唯一の観点があります。
 「あなたが頑張って働くことは、自分以外の誰のためですか?」
 家族のため、職場の仲間のため、自分を信頼してくれる人のため、お客様のため、地域のため、社会のため…。迷い少なく働いている30歳は、みんなこの観点が明確です。
 このコラムでは、取材などで出会った方々から学んだこと、気づいたことを、そんな観点から説明していきたいと思います。

★編集長:宮崎 健(ミヤザキ タケシ)

 NPOワーカーズ・オープンコミュニティ・エイド(WOOCA)代表
1962年生まれ。株式会社リクルートに16年間勤務。数百社の採用・研修・CI・広報・イベント企画と、メディアの企画立案・組織オペレーション、働く人のモチベーション研究などに携わる。2002年6月独立し、現在に至る。
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編集長へのメールはmiyazaki@kyoto30.comまで。
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