編集長コラム 
vol.09: 永遠のテーマ「相手の立場に立つ」(3)  2003年12月24日(火)

 時間を守る。今回は、この働く人にとっての初歩中の初歩なテーマについてです。

 たとえば、あなたがある打合せのアポイントに10分遅れることが確実になったとします。そんな時に限ってエレベーターがやたら混んでいたり、突然の電話が入ったりしてイライラも募ってきます。必死になってその打合せの部屋までたどり着き、その部屋に入るときには誰しも多かれ少なかれ緊張します。なぜ緊張するのでしょうか?

 もしかしたら、「怒られるんじゃないか?」「自己管理もできない奴と思われないか?」という気持ちであることが多いのではないでしょうか? 実は私もそんな「恐怖心」からとにかくヒステリックに時間厳守を自分に課していた時期がありましたし、今でもそんな気持ちに囚われてしまうときが時おりあります。しかしそれは自分を中心にした考え方です。

 実は、特にビジネス社会において約束の時間を守ることは、「相手の立場に立つ」最低限の行動なのです。「怒られたくないから」「自己管理ができると思われたいから」時間を守るのではなく、自分が時間を守ることで「相手の方のスケジュールが守られる」と考えなければなりません。
 特に昨今「生産性の向上」という大命題や、情報ツールのいちじるしい進化によって、ビジネスマンは多忙を極めています。あなたの10分の遅刻で打合せの開始までが遅れ、ただでさえストレスの多い中で参加者の苛立ちを募らせるかも知れません。それは参加者全員の、その後のスケジュールに影響を及ぼすかもしれません。またそのことで、今度はその打合せの参加者が、次のアポイント先の人に謝らなければならないような羽目になるかも知れません。

 10分遅刻したときに「すみません」「申し訳ありません」と謝るときに、自分が非難されたくないという気持ちの場合と、相手のそこまでのことを考えている場合とでは、受け手の印象はまったく違ったものになります。

 私たちが生きている「ビジネス社会」は、「約束の社会」であり「信頼の社会」です。そして「時間の社会」とも言えます。時間は有限だからこそ、その限られた時間の中で少しでも成果をあげるために「忙しい」のです。その忙しい中の相手の時間を無駄にさせない、そのために時間は守らなければならないのです。

 相手の立場に立って努力をすれば、次第に時間管理がシッカリしてきて遅刻は少なくなります。そして「時間を守る」というこの小さな積み重ねが、いつしか大きな「信頼」につながって行くのです。

 100人に100通りの「働き方」。バブル崩壊後に社会に出た今の30歳は、自分で自分の「働き方」を決める「新しい時代のトップランナー」です。そしてどんな「働き方」を決断しようとも、最終的に決して後悔をすることのない唯一の観点があります。
 「あなたが頑張って働くことは、自分以外の誰のためですか?」
 家族のため、職場の仲間のため、自分を信頼してくれる人のため、お客様のため、地域のため、社会のため…。迷い少なく働いている30歳は、みんなこの観点が明確です。
 このコラムでは、取材などで出会った方々から学んだこと、気づいたことを、そんな観点から説明していきたいと思います。

★編集長:宮崎 健(ミヤザキ タケシ)

 NPOワーカーズ・オープンコミュニティ・エイド(WOOCA)代表
1962年生まれ。株式会社リクルートに16年間勤務。数百社の採用・研修・CI・広報・イベント企画と、メディアの企画立案・組織オペレーション、働く人のモチベーション研究などに携わる。2002年6月独立し、現在に至る。
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編集長へのメールはmiyazaki@kyoto30.comまで。
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