4月の新年度も間近にせまり、新しい地域への転勤や今までとは違う部署に異動内示を受けた方、また気分一新して新しい会社に入社される方も多くいらっしゃると思います。その中で、担当するお客さまや後任への業務の引き継ぎはたいへん重要な業務だと思います。 まず直面するのは、お客さまや取引業者さんの淡白さでしょう。 「自分は、会社の名前ではなく“個人”として信頼をもらって仕事していたし、それなりにお役に立てたんだから、自分が担当でなくなることをすごく悲しがってくれるだろう。君じゃなきゃ困るんだなんて言われたりして…」。 そう思ってお客さまに転勤や異動を打ち明けると、「あ、そう。世話になったね。次も頑張ってね」という、あっさりとした激励しかもらえないのが普通です。そして次には、こう言われます。"で、後任の方はどんな人? ――" これが現実です。一生懸命お手伝いできたなぁ、と思っているお客さまの中で、送別会を開いてくれるのは20社に1社あれば良いほうではないでしょうか。やはりビジネスは仕事上のお付き合いですので、担当である個人だけを信頼して取引は成立していません。会社が持つ商品やサービスの魅力が大前提であり、それを自社や自分にとって有効に役立て提供しようとしてくれる“個人”を信頼してくれるのです。そんなことを痛感させてくれるのが、この「引継ぎ」です。 引継ぎ時に重要なのは、最後の最後の日まで今の業務に決して手を抜かないことだと思います。仕事相手の役に立とうとするとき、やはり仕事そのものでしか人は役に立てないからです。本当なら仕事には関係ない会話や、自分という個人の存在で相手には役に立ちたいのですが、猛スピードで変化し、かつ、数え切れない人との出会いで成立しているビジネス社会の中で、これは至難の業です。 ただ一点、目の前の仕事だけが、転勤や異動の最後の日まで相手のお役に立てる唯一のものなのです。最終日の最後の最後まで、自分が担当していたお客さまや取引業者さんのことを考えて、直接行動をしたり後任の人に指示やアドバイスしたり…。どうしても新しい職場や仕事のことが頭をよぎってしまって、いまの仕事に力が入らないのは良くわかります。ただここが我慢のしどころ。 そしてギリギリまでやりつくして、あとは後任の方にスパッと任せてしまう。よほどのことがない限りそのお客さまには関わらない。そうしないと、後任が自分の担当であるという自覚がなかなかできませんし、先方にとっても良くないことです。 せっかくできたリレーション、なにか寂しい気もするのですが、こんな姿勢は先方に伝わります。「この人は最後までこちらのことを考えてくれた」と。なにか本当に困ったことが起きたときに、こんな信頼関係が重要になってきます。別れは本当に悲しいもの。だからこそ最後まで目の前の人のことを考え続ける姿勢を大切にしてください。 引継ぎ時のエピソードは、「京都の30歳!」の中ではワタキューセイモアの小林さんや松ノ木薬品の水口さんのエピソードなんかも参考にしていただければ幸いです。 |
|||
|
100人に100通りの「働き方」。バブル崩壊後に社会に出た今の30歳は、自分で自分の「働き方」を決める「新しい時代のトップランナー」です。そしてどんな「働き方」を決断しようとも、最終的に決して後悔をすることのない唯一の観点があります。
★編集長:宮崎 健(ミヤザキ タケシ)NPOワーカーズ・オープンコミュニティ・エイド(WOOCA)代表 1962年生まれ。株式会社リクルートに16年間勤務。数百社の採用・研修・CI・広報・イベント企画と、メディアの企画立案・組織オペレーション、働く人のモチベーション研究などに携わる。2002年6月独立し、現在に至る。 詳しい経歴はこちら 編集長へのメールはmiyazaki@kyoto30.comまで。 |
| トップページに戻る |