みなさんは忙しい最中に突然、なつかしい友人が訪ねてきたとき、どうしていますか? 今の会社でかなりの要職についている彼のこと、それは忙しいだろうし、会議中で名刺だけ置かせてもらえばいい、または立ち話で5分でいいと思い、私は夕方に訪問しました。応接間に通され、そこに現れた友人は、本当に驚いた様子で目を見開いて、「びっくりするやんか!久しぶり!よう来てくれたな」と、満面の笑顔で迎えてくれました。こちらはパソコンの知識が欲しくて、十数年も連絡もしない非礼の中で訪ねていっているのに、彼はいやな顔ひとつ見せません。名刺を見るとさらに重要な役職についていました。 お互いの仕事の近況や家族の話、かつての上司や同僚の話、今後の人生設計の話など…。ほかの重要な仕事を多く抱えているはずなのに、そんな素振りもまったく見せず、気がつくと時間は二時間を越えていました。彼は京都店の信頼できる担当者を紹介してくれ、帰り際には店の前まで出てきて、私の姿が消えるまで手を振って見送ってくれました。そして紹介された担当者の方を訪ねると、私の困りごとがしっかりと伝わっていて、とても親身に説明してくれたのです。そしてパソコンを購入した翌日には、その友人からわざわざお礼の電話までが入りました。私にはできない、正直そう思いました。 もし同じような状況の友人が訪ねてきてくれても、せいぜい一時間が限度です。それも最後のほうは、今日中にやらなければならない仕事のことが頭をかすめ、「事前に連絡さえくれれば…」と思うのが関の山です。 おそらく、その彼の優先順位は「人」なのだろうと思います。自分が大切にするのは「仕事」や「趣味」ではなく「人」。家族や友人、自分を頼ってくれる人、信頼を置いてくれる人、世話になった人…。人に仕事や趣味がついてきているのでしょう。だからこそ、「人」との接点を大切にするのだと私は思うのです。その優先順位が明確だからこそ、少しばかり自分の予定が狂おうと、残業が増えようと、まったく意に介せず、人のために時間を割くことができる。そうでなければ、彼のために何かの役に立ったこともない、単なる知り合い程度の付き合いの私に、ここまでしてくれた説明がつかないのです。 それは、とてつもない「力」だと思います。なぜなら、いつか彼が困ったときになにか力になれるといいなと思う友人たちが、数え切れないほどいるのだから。ショックを受けながら、私も彼のようになりたい、と強く思った出来事でした。
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100人に100通りの「働き方」。バブル崩壊後に社会に出た今の30歳は、自分で自分の「働き方」を決める「新しい時代のトップランナー」です。そしてどんな「働き方」を決断しようとも、最終的に決して後悔をすることのない唯一の観点があります。
★編集長:宮崎 健(ミヤザキ タケシ)NPOワーカーズ・オープンコミュニティ・エイド(WOOCA)代表 1962年生まれ。株式会社リクルートに16年間勤務。数百社の採用・研修・CI・広報・イベント企画と、メディアの企画立案・組織オペレーション、働く人のモチベーション研究などに携わる。2002年6月独立し、現在に至る。 詳しい経歴はこちら 編集長へのメールはmiyazaki@kyoto30.comまで。 |
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