編集長コラム 
vol.30: 35歳への道(1) 2003年8月19日(火)

 このメールマガジンのタイトル「30歳!誰のために働きますか?」の意味についての説明をこれまでしてこなかったように思います。サイトの中(http://www.kyoto30.com/botai.html)で簡単に説明しているのですが、このコラムでもこれから数回に分けて、なぜ30歳の方々に向けてこのようなメッセージを送ろうと思ったのかをお伝えしていきたいと思います。

 「35歳まではフラフラしていたって構わない」。私たちはあえてこう定義しています。
 それは、35歳あたりから「元気」や「のびやかさ」を失っていく傾向が強まっているからです。
 自分というものを知り、家庭というものを知り、組織や社会というものを知り、ものごとの進め方・進み方も理解し始められる年齢である35歳。社会に出てから10年強の間を懸命に過ごして、人間ひとりの非力さ・能力の限界・弱さ・甘さなどを痛感する一方で、スキルや実績・経験、それを積み上げてきた自分への自信も生まれてきます。ある程度、世の中の仕組みがわかってきたなかで、本当に自分が実現したい夢を設定してそこに邁進し始められる年齢が35歳なのではないのか、と思うのです。

 ところが昨今この35歳を機に、突然「元気」や「のびやかさ」を失ってしまわれるケースがとても多く見受けられるのです。それは、35歳が職場・家庭・地域社会で、重い「役割・責任」を背負い始める年齢だからです。
 職場では管理職になり、重い業績責任と若い部下・メンバーたちのことを常に気にかけなければなりません。家庭では、子育てに精神的・金銭的な負担が大きくなり、自分自身の親もいつまでも放っておけなくなくなります。そして子どもが地域社会に加わることで親にも地域の中で「役割」が発生します。時間だけは有限です。

 これまでの時代は「勤め上げる」という価値観のもと、この30代を乗り切れば終身雇用が待っていましたので、不安なくその「役割・責任」をまっとうする事ができました。しかしもうその保証がないばかりか、逆に組織からは35〜40歳を境にして「今後の身の振り方」の決断を迫られるのです。求人誌などでの転職の年齢上限も35歳が多数を占めています。
 「さあ、これからだ!」というときに、自分にのしかかっている「役割・責任」の重たさに気づき、保守的にならざるを得なくなるのです。

 35歳から元気をなくしてしまうくらいなら、逆にそれまではフラフラしていたほうがむしろ良い。ただし、そのフラフラの仕方が重要であると考えるのです。     (続く)


 100人に100通りの「働き方」。バブル崩壊後に社会に出た今の30歳は、自分で自分の「働き方」を決める「新しい時代のトップランナー」です。そしてどんな「働き方」を決断しようとも、最終的に決して後悔をすることのない唯一の観点があります。
 「あなたが頑張って働くことは、自分以外の誰のためですか?」
 家族のため、職場の仲間のため、自分を信頼してくれる人のため、お客様のため、地域のため、社会のため…。迷い少なく働いている30歳は、みんなこの観点が明確です。
 このコラムでは、取材などで出会った方々から学んだこと、気づいたことを、そんな観点から説明していきたいと思います。

★編集長:宮崎 健(ミヤザキ タケシ)

 NPOワーカーズ・オープンコミュニティ・エイド(WOOCA)代表
1962年生まれ。株式会社リクルートに16年間勤務。数百社の採用・研修・CI・広報・イベント企画と、メディアの企画立案・組織オペレーション、働く人のモチベーション研究などに携わる。2002年6月独立し、現在に至る。
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