編集長コラム 
vol.53: 「くじけそうな気持ち」を支えてくれるもの(1) 2004年5月25日(火)

 手前ごとになりますが、多くの方々のご協力やご声援のおかげで雑誌「京都の30歳!」の第3号づくりがようやく終わり、28日からのサイト上での販売開始、そして31日に京都の書店やコンビニなどに並ぶのを待つだけになりました。アンケートにお答えいただいた方をはじめ、ご声援をいただいたみなさん、本当にありがとうございました。
 今回も京都の名もなき30歳の20人分の物語を掲載するほか、編集記事ではこれまでの60人近い30歳の方々への取材を通じて確信を得た、1970年代生まれの「自分づくりの鉄則!」など、なお一層充実した雑誌になったと自負しています。

 
「京都の30歳!」メディアづくりの準備を始めてからもう2年。その中でこの3号作りは最も苦しい日々が続きました。何度もくじけそうな気持ちにも襲われたのですが、なんとかそれを乗り越えられたのはなぜなのか? そんなことをポイントを絞って書いていこうと思います。

 
今回とても精神的に苦しかったのは、実は読者のみなさまからの「お叱り」のお声でした。昨年11月の2号発行後、年を越して今年の3月ごろから読者の方から「お叱り」のお葉書やメールをいただくようになりました。まだ3〜4通ですが「京都の30歳!」メディアの中での一部の不適切な表現が、その方々に不愉快なお気持ちにさせてしまったのです。
 連絡先がわかった方には直接お詫びをさせていただいているのですが、マスに対して「言葉」を発する以上、責任はすべて私にあり、大変申し訳ない気持ちで一杯です。

 
ただ、「30歳」の決して表面的ではない生き方の「物語」をお届けしている関係上、かなり慎重な原稿作りを進めていてそれまでほとんどなかった「お叱り」が、なぜ3月ごろから増えたのか? それが不思議だったのですが最近ようやくその原因がわかりました。
 いつのまにか、私が思っているよりはるかに多くの方々が、「京都の30歳!」メディアをご利用いただくようになっていた、ということです。よく考えれば雑誌2号は、京都の主要なメディアのほとんどが取り上げてくださった創刊号以上に売れている。サイトも1日の総アクセス数が3000件と1年前の3倍にも増えている…。「お叱り」が増えるのと同時に、実はお礼や励ましのお声も比べようもないくらい増えているのです。

 
限られた資金、時間、能力、体力…。懸命に頑張ってくれるスタッフにこれ以上の負荷をかけて、さらなる慎重な文章づくりを続けられるのか? それを前提としてこのサービスを続けられるのか?…。そこまでパワーがかかるならもう少し利益が見込めることに…。
4月下旬からピークに達したそんな葛藤を乗り越えさせてくれたのは、有名メディアとは比べようもなく少ない数ながらも、「間違いなく待ってくださっている読者の方々がいる」という気持ちでした。

 
どんな仕事でもそれを待っている人がいなければ仕事として成立しません。エンドユーザーや取引先、関係他部署の人々…。自己満足と言われてもいい。まずは、「いまこのとき、自分の頑張りを待ってくれている人がいる」という気持ちが、くじけそうな気持ちを支えてくれるのではないかと思うのです。ときおりそんな観点でいまの自分の仕事を見てみてはどうでしょうか?


 100人に100通りの「働き方」。バブル崩壊後に社会に出た今の30歳は、自分で自分の「働き方」を決める「新しい時代のトップランナー」です。そしてどんな「働き方」を決断しようとも、最終的に決して後悔をすることのない唯一の観点があります。
 「あなたが頑張って働くことは、自分以外の誰のためですか?」
 家族のため、職場の仲間のため、自分を信頼してくれる人のため、お客様のため、地域のため、社会のため…。迷い少なく働いている30歳は、みんなこの観点が明確です。
 このコラムでは、取材などで出会った方々から学んだこと、気づいたことを、そんな観点から説明していきたいと思います。

★編集長:宮崎 健(ミヤザキ タケシ)

 NPOワーカーズ・オープンコミュニティ・エイド(WOOCA)代表
1962年生まれ。株式会社リクルートに16年間勤務。数百社の採用・研修・CI・広報・イベント企画と、メディアの企画立案・組織オペレーション、働く人のモチベーション研究などに携わる。2002年6月独立し、現在に至る。
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編集長へのメールはmiyazaki@kyoto30.comまで。
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