働くという行為には、社会の中における自分の「生きる意味」を実感するためにある側面があります。そして「生きる実感」を強く得ようとしてリキめばリキむほど、自分ができることの小ささを痛感して「無力感」にさいなまれます。しかし社会は一人ひとりのその人らしい存在があってこそ成立しています。マンネリのように感じる毎日の中で、「自分ができること」を精一杯こなして一日単位で生きる。それを喜んでくれる誰かがいる。待ってくれる誰かがいる。そんな積み重ねこそが「生きる意味」を感じるための近道なのだと学べたのが、株式会社元廣(びっくりドンキー)湯浅敦子さん(31歳)の取材でした。 両親に短大付属の小学校に転入させられてから、自分の居場所を失ってしまった湯浅さん。表面上は社交的に振舞いながらも、一人になると太宰治の本を読み、尾崎豊の歌を聞き、日記に自分の思いを書き連ねる青春期を送ります。希望する大学への受験もさせてもらえず、親が敷いたレールの上を生きる覚悟はしても、友人たちがそれぞれの目標に向かって進んで行く姿を見ると、目標を見出せない自分に「生きる意味」さえ見失います。 「不眠症」が湯浅さんを襲うようになり、海外旅行で気を紛らわしたり、居酒屋オープニングのリーダー仕事に没頭はできても、自分の気持ちを誰もわかってくれない孤独感は強まるばかり。いつしか毎日を乗り越えるために睡眠薬に頼ってしまうようになります。 あるとき薬の副作用で体中が発疹で覆われて緊急入院したときに、両親の「無償の愛」を実感し、病院の窓から街を見下ろしたときに人間の小ささを痛感したそうです。 自宅近くのびっくりドンキーでアルバイトを始め、温かな店長やバイト仲間の支えを得て、決してあせらず、少しずつ薬を絶って行く。「仲間やお客様から頂く元気を、精一杯の笑顔でお返ししたい」「そのために精一杯頑張った自分に微笑み返せる毎日にしよう」と。 たかがちっぽけな人間一人。されどこの世に一人しかいない私にしかができないこともある。決してあせらず、そんな小さな喜び、小さな一日を、積み重ねて行きませんか? |
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100人に100通りの「働き方」。バブル崩壊後に社会に出た今の30歳は、自分で自分の「働き方」を決める「新しい時代のトップランナー」です。そしてどんな「働き方」を決断しようとも、最終的に決して後悔をすることのない唯一の観点があります。
★編集長:宮崎 健(ミヤザキ タケシ)NPOワーカーズ・オープンコミュニティ・エイド(WOOCA)代表 1962年生まれ。株式会社リクルートに16年間勤務。数百社の採用・研修・CI・広報・イベント企画と、メディアの企画立案・組織オペレーション、働く人のモチベーション研究などに携わる。2002年6月独立し、現在に至る。 詳しい経歴はこちら 編集長へのメールはmiyazaki@kyoto30.comまで。 |
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