編集長コラム 
vol.83:300人の「成長の物語」を描いて 2007年6月25日(月)

リクルートという会社から独立をして、5年の歳月が経とうとしています。

この間、「京都の30歳!」という雑誌での約80人をはじめとして、クライアントから請け負った企業内コミュニケーション活性化や若手社員のモチベーション向上ツールとして、また、採用活動における応募者の入社動機の強化や入社後の早期離職のための採用ツールとして、かれこれ300人近い20〜30代の「成長の物語」を描いてきました。

もちろんそのほとんどをスタッフたちが描いてくれているのですが、私自身はすべての取材ノートを読み込み、お一人について延べ5時間前後は打合せに入って、その方々の「頑張ってきた道のり」を整理して、文章の指導をしてきました。

取材対象の中には、すでに40歳近くになっている方もいれば、新卒入社後2〜3年のまだフレッシュな方もいて、そのお生まれ年は1968〜1983年と15年くらいの開きがあります。

これほどの違いがあると、幼少期を過ごした時代の背景も違えば、社会に飛び出したときの経済環境もまったく変わってしまっています。
それらの背景や環境は色濃く反映しますし、そして一人ひとりの方を取り巻く人たちの考え方もバラバラで、それぞれの方の「生き方」「働き方」への価値観も千差万別です。


しかし、どの世代の、どんな方にも、すべてに共通する「想い」が間違いなくありました。

それは、一度きりの人生を「夢中に、精一杯に、生きたいのです」という想い。そして、その基礎作りの時期である20代における「自分の成長」というものへの強い想いです。

誰にも負けず劣らずのハードワーカーである私ですが、取材を通じてすべての方に「何故そこまで頑張るの?」と必ず驚いてしまうのです。
社会からの裏切りにあって引きこもってしまった人やうつになった人も何人もいましたが、「私なら決して立ち直れそうにない…」というような状況でも耐え抜かれた方もいます。
取材中に涙を抑えられなかったことは、一度や二度ではありません。

思えば、私がこの20〜30代の「物語」を描いていこうと思ったキッカケは、私が信じられないくらいの厳しさで顧客フォローをさせた部下たちが、その顧客の採用が成功に結びついた事実を垣間見たとき、嬉しさのあまりに涙を流している姿を見た瞬間でした。

「お金のため」「生活のため」「遊びのため」「仲間のため」「親のため」…。
20代の働くモチベーションはさまざまです。
しかし、たとえ表面上にはそうは見えなくても、「ガムシャラに、夢中に、成長したいのです」という「想い」が、すべての20代の奥底に存在している。

私は、そう信じたいのです。

決して高い給料もあげられていない今の私の事務所で、私のあいかわらずのとても厳しい指導でも、誰一人として自分から逃げ出してしまった若者はいないのです。

もし、部下へのマネジメントや、後輩の指導に頭を悩ませている方がいらっしゃれば、ぜひこのことを信じてあげてみてはいかがでしょうか?

 100人に100通りの「働き方」。バブル崩壊後に社会に出た今の30歳は、自分で自分の「働き方」を決める「新しい時代のトップランナー」です。そしてどんな「働き方」を決断しようとも、最終的に決して後悔をすることのない唯一の観点があります。
 「あなたが頑張って働くことは、自分以外の誰のためですか?」
 家族のため、職場の仲間のため、自分を信頼してくれる人のため、お客様のため、地域のため、社会のため…。迷い少なく働いている30歳は、みんなこの観点が明確です。
 このコラムでは、取材などで出会った方々から学んだこと、気づいたことを、そんな観点から説明していきたいと思います。

★編集長:宮崎 健(ミヤザキ タケシ)

 
モチベーションスタジアム代表
 1962年生まれ。大学卒業後、1986年株式会社リクルート入社。200社の企業の採用・教育・コミュニケーション等のコンサルティングなどに携わる。1997年社内研究機関から選抜され、経営者の意思決定の研究、働く人のモチベーション研究に取り組む。2002年フレックス定年制度によりリクルートを退職、NPOとして2003年に雑誌「京都の30歳!」を創刊。2007年企業の若手人材育成のバックアップを業務とする「モチベーションスタジアム」を設立。
詳しい経歴はこちら
編集長へのメールはmiyazaki@kyoto30.comまで。
トップページに戻る
(c) 2003 WOOCA. All rights reserved.