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■気になる最新報道・記事
◆「賃下げ」春闘
[京都新聞 12/18ほか]
経営者の集まりである日本経団連や、労働組合の集合体である連合などが、2003年春闘は「ベースアップ」を2年連続で見送ると同時に、「定期昇給」についても凍結もしくは全面見直しを考えざるを得ない方向性を明確に示した。会社からの給与はわずかずつでも上昇して行くもの、という考え方を完全に頭から切り離さなければならない時代がきた。
「ベースアップ」(ベア)とは、物価水準に合わせて賃金水準のベースを一律に合わせていく意味合いのもの。ここ数年のデフレで物価はほとんど上昇をしておらず、今後についてもその気配もないため、ベアの2年連続見送りは納得性が高いもの。しかし「定期昇給」は、我々が企業に雇用されるときに「昇給年1回」などと提示された契約事項。それが凍結されるだけでなく、今回は「昇」給制度自体を見直さなければならない、と言及されている点が重要である。つまり、「雇用契約の全面的な改定」であり、これまで謳われてきていた「昇給年1回」などという項目が削除されていくことを示している。
「いずれ景気がよくなれば、就職や転職環境も良くなるし、すこしずつでも給与も上がっていく」というような淡い期待をいまだに持つむきも多いかもしれないが、今回のこの方針は、景気が良くなろうが会社の業績が良くなろうが、全員一律にその恩恵にはあずかれないことをハッキリさせた訳だ。
とくに30歳前後の働く方々にとってみれば、これから家庭を持ち子どもを育てていくなかでますます必要になっていく生活費を、自分の能力・スキルの向上や頑張りのみで獲得していかなければならなくなる。会社は、個人の生活設計を考慮した賃金体系はもう組んではくれないのである。
◆失業手当の給付・削減!
[日本経済新聞 12/18夕刊]
厚生労働省が「雇用保険制度改革の最終案をまとめた」ことが明らかとなった。その中には、失業手当の給付の見直し案があり、来年5月に施行される。改革されるのは、失業手当の給付日数・給付日額の上限額、教育訓練給付率などの削減についてと、広範囲に及んでいる。
失業手当とは「原則として離職する前の賃金日額の6〜8割を、90〜330日の範囲で支給する仕組み」である。今回改革された項目のうち、失業手当の給付日数とは、雇用保険の被保険者期間及び、離職日における年齢で決まる。それは自己都合離職(正社員)の場合、最長180日から最長150日へと削減される。給付日額とは被保険者期間の最後6ヶ月の賃金合計を180日で割って1日分の額を算出、その6〜8割のことをいう。給付日額の上限額は29歳以下に関しては8676円から6580円へ、30〜44歳に関しては9642円から7310円へと下がる。
教育訓練給付とは、雇用保険の被保険者(在職者)または被保険者であった人(離職者)が、厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し終了した場合、本人が教育訓練施設に支払った経費をハローワークから支給する制度である。これについては、給付率が8割から4割へと半減する。また、上限額は30万円から20万円へ下がる。
雇用保険料の引き上げについては2005年4月に先延ばしされたようだが、失業手当の削減は来年の5月に迫っている。支払う雇用保険料と、給付される失業手当との格差がますます広がってきている現実がここにある。その現実を自分の問題として真剣に受けとめ、学んでいく必要がある。失業手当の給付の見直し案は、ほかに高額受給者の給付率や高年齢雇用継続給付にも触れているので参考にしていただきたい。
◆メーカー ソフト技術者増員 [日本経済新聞 12/21朝刊]
大手メーカーの雇用に関する記事ではひさびさの明るい記事である。日本ビクターや、シャープ、日立製作所、ソニーなどが、ソフト技術者を大幅増員する記事が掲載されている。「中国メーカーなどが低価格攻勢を強める中、ソフトで機能を充実させ競争力向上を狙う」のが目的で、各社の具体的な増員目標が報道されている。
日本ビクターではソフト技術者を「2003年度から3年間で600人に倍増」、パイオニアは、「今年3月末で35%のソフト技術者の比率を2005年をメドに40%程度にする」という。シャープもソフト技術者比率を3割にし、ソニーは数値目標は設定していないが、随時増やしていく方向だそうだ。
背景には、家電製品は「電子部品さえ調達できれば比較的容易に生産できるようになっており、アジアメーカー台頭」によって、日本製品の競争力がハード技術だけでは維持できないことにある。「日本メーカーはデジタル家電の機能や付加価値は内蔵ソフトの性能が決め手になると見ており、開発体制の強化」を急いでいることによる。
テレビ、DVDレコーダー、デジタルビデオカメラ、ネットワーク家電に関して、どのようなソフトウエア用途が重視されているかなども簡単に説明されている。
21世紀の未来の生活図などがアニメや科学者によって語られてきたが、いよいよそんな夢のような社会が間近に近づいて来ていることが、このような記事からもうかがえる。しかし、ソフトの技術においても、ひとたび確立された技術はよほどの画期的なもの以外はすぐに陳腐化していくのが、今の時代の常である。とくにソフト領域だけに、個々の技術者の発想力や独創性がたゆまなく発揮されていく組織・風土づくりが、改めて問われ続けることだけは間違いない。
◆企業の7割が契約社員雇用
[日本経済新聞 12/23朝刊]
厚生労働省の調査によると「企業の約7割が有期契約の非正社員を雇用し、うちパートを除く契約社員は41%に上る」のだという。また、「外食や小売り、サービス業などが契約社員制度を拡大」しており、「店長やマネージャーなど運営責任者に昇格する制度」もあるという。契約社員の仕事は高度になりつつあるのだ。
リクルートが「インターネット上でフリーターを募り、百貨店やファーストフード店などに契約社員としてあっせんする事業を年内にも始める」ことが明らかになった。このように企業がフリーターを契約社員として採用する動きが始まっている。
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングでは「契約社員を店長代理に登用する制度を採用」したそうだ。「店長代理は在籍期間を長期に設定、家庭の事情などで転勤が難しい人材の有効活用につなげる」という。近畿日本ツーリストでは「契約社員の比率を現在の20%から34%に高め」、「契約社員が店頭販売部門の8割をしめる」ようにするのだという。
そもそも、正社員と契約社員の違いとは何であろうか。それは、期限があるかどうかの違いである。そして契約社員という雇用形態は企業の都合によって創られた人事戦略の一環である。とはいえ、企業側だけでなく求職者側にもメリットはある。収入の不安定なフリーターを続けたり、期間の定めのない正社員を「決断」のないまま続けるよりも、契約期間という限られた時間のなかで、やるべき目標をもって仕事に取り組んでみるという選択肢もある。この記事を通して、契約社員という雇用形態について学んでみてはどうだろうか。
◆40歳以上は会社都合離職! [日経新聞 12/18朝刊ほか]
厚生労働省が17日に発表した2002年求職者総合実態調査(6月調査分)の記事である(回答数1万3000人)。それによると、39歳までの人が会社を辞めた理由は(離職者自身の)「自己都合」である場合が多いが、40歳以降は「事業者都合」がそれを逆転して多くなっている実態が明らかになった。
「事業主都合」で離職した人の具体的な理由は、「人員整理」がトップで全体の中で34.6%を占めるという。その他、「事業者都合」が「自己都合」を上回っているのは、男女別で見ると男性、企業規模で見ると従業員30人未満の会社であるという。
「年功制の下で賃金水準が上昇する中堅社員になると、人件費抑制を急ぐ企業にとって人員削減の対象になりやすく」「家計を支えていた男性社員」がその最大の標的になっている実態が浮き彫りになったと言える。
記事では、5歳刻みの年齢別に「自己都合」「事業主都合」の割合をグラフにしてあるが、40歳を分岐にした「事業主都合」離職の増加は目を覆わんばかりである。リストラの対象といえば50歳以上が中心であるイメージが強いが、明確に40歳がターニングポイントであることがわかる。
もうひとつの観点、39歳以下の離職理由について。グラフから見ると、30歳未満で「事業主都合」で離職している人は20%強。その逆に「自己都合」で会社を辞めた人が60%弱もある。仕事内容、人間関係、社風、さまざまな理由をもって転職のために会社を辞めるのであろうが、あえて一言言わせていただきたい。40歳を超えると、働きたくても働けなくなる人が大半になる。簡単に会社を辞めるな!と。
◆384万人離職、採用上回る [京都新聞 12/14朝刊]
厚生労働省によると「(今年上半期の)解雇や退職による離職者が約384万人と、就職や転職、出向などによって企業に採用された入職者約363万人を上回った」ことが分かった。「上半期は通常、新規学卒者が就職するため、入職超過」となるようだが、今回初めて離職超過となった。この状態は景気が回復しても逆転することはないのかもしれない。
これは厚生労働省が発表した今年上半期の雇用動向調査結果によるものである。記事によると「離職の理由」については「個人的理由が63.8%」と「最も高かった」ものの、「『経営上の都合』が14.4%と前年同期の11.1%に比べて3.3ポイント上昇し、調査以来最高となった」ということである。また、「就業形態別」でみると、「正社員などは、離職率が8.0%と、入職率7.2%を上回った」ともある。このように、離職超過の原因は「倒産やリストラによる人員整理が加速していること」のようだ。そして、職種に関しては「建設業や製造業で離職率が高かった」ということである。
「パート労働者では離職率14.9%よりも、入職率の15.5%が高かった」とあるように、パート労働者を必要としているサービス業など、雇用拡大を進めている業種もあるようだ。さらに将来、景気が回復すれば入職率も改善されるのではという甘い期待を持っている人もいるかもしれない。しかし、製造業はますます海外進出し、建設業も雇用が増えていくとは思えない。つまり、景気が回復しても大幅に入職率は改善されないのではないであろうか。
記事によると「厚生労働省は(調査結果に対して)『厳しい雇用状況を示した』と、深刻に受け止めている」ということだ。雇用に関して厳しい報道が飛び交うことが多い昨今ではあるが、改めてこの現実から目をそむけずに真摯に受けとめなければならない。(浅野千恵)
◆所得増税、年7000億円 [日経新聞 12/13朝刊]
13日に決定した、与党の税制改革大綱が詳しく解説されている。それによると、年収500万のサラリーマン世帯(夫婦子2人)の2004年以降の税負担(所得税+住民税)が約4万4000円も増えることになるという。さらに、所得税がかかる最低年収(「課税最低限」夫婦子2人世帯の場合で約384万円)も、大幅に下がるという。
今回、決定したのは、「配偶者特別控除」という制度の2004年からの廃止。この制度の存在が、特に妻に多い「配偶者」の労働意欲を減退させているという判断である。「配偶者」が年間103万円以上の所得を得ると、この「配偶者特別控除」の恩恵にあずかれなくなるからである。
この税制改革と同時に決まった、少子化問題に配慮した「児童手当拡充」では、その支給対象を「現行の6歳児(小学校入学前)から9歳児(小学3年度末)まで延ば」すということらしいが、記事では、「専業主婦世帯、特に就学前の子供を抱える場合は(中略)恩恵も受けず、家計の負担感が大きくなる」とある。
そもそも年間103万円の収入を、就学前の子供を抱える主婦が、どのような就労形態で確保するのか?月換算にして約8万5000円強。時間的な制約も多い時期だけにパートタイムで働くとして、時給800円で約106時間。週に25時間の労働が必要になる訳だ。週5日働きに出るとして1日5時間、手の離れない子供をもつ主婦としてはこれがある程度の限界なのではないだろうか?パート以外の手に職をつけて在宅で収入を得る方法もあるが、そこまでしてなお一層の所得を目指す主婦の比率はいったいどれくらいだろう?
働く我々が税制をしっかり学び、逆手にとって税負担を低く抑える知恵を絞らなければならない時代がやってきた。
◆工場に人材派遣 解禁 [日本経済新聞 12/4朝刊]
厚生労働省によると「工場など製造現場への人材派遣を条件付きで初めて解禁する」案が固まった。記事に「人材派遣の拡大は人件費抑制を進める企業には便利」と掲載されているとおり、今回、製造業務を解禁するのは「企業側の要望が強いため」である。しかし、雇用される側にとってメリットはないのだろうか。
厚生労働省は「労働者派遣法改正案を来年1月召集の通常国会に提出、来年中の施行をめざす」ということだ。
「派遣社員は2000年度で約138万人と5年間で倍増、就業者に占める割合は2%強」で、また「特に高度な生産工程には、請負より派遣が向いているという声が多く、生産調整の機動性も増す」というように、今後も派遣社員という雇用形態は増加の一途をたどることが予想される。
「労働組合などには『不安定な雇用が増える』と慎重な意見が強い」というように雇用される側にとってはリスクもある。しかし、派遣社員というのはひとつの手段になる。終身雇用が前提の正社員であれば1つの会社の仕事の進めかた、文化しか知らず、考え方が広がらない恐れがある。派遣社員ならばその経験を生かしていろいろな会社の仕事の進めかたや文化を経験でき、それを武器にすることができるかもしれない。
「製造業務への派遣期間を最長1年に限定、実施状況をみたうえで最長3年に延ばす考え」とあるように、派遣期間というものには限りがある。その中で派遣先の正社員たちといかにたくさんのコミュニケーションを交わし、自分のスキル向上のために努力できるか。派遣期間という明確な区切りの中でテーマを持って仕事に取り組むことによって、企業側に使われるのではなく、うまく派遣という雇用形態を利用することもできるのではないだろうか。(浅野千恵)
◆年齢制限なしの希望退職 [日本経済新聞 12/6朝刊]
西武百貨店が、年明けに800人規模の正社員の希望退職を募るということが報じられている。今回の特徴は「年齢制限を設けない」ことだ。西武百貨店は、今年9月にも500人規模の希望退職を募集しており、この時は「対象者を35-58歳に限定した」そうで、この「年齢制限撤廃」はいったいどのような意味を持つのだろうか。
この年明けの追加募集で、「今期末の正社員数は約3400人となり、前期末に比べて4割近く減少する見込み」だそうで、「来期以降も不採算の3店程度を閉鎖する方向で検討しており、従業員はさらに減少すると見られる」。
また、「人員圧縮に伴い売り場のサービスが低下しないよう、本部組織や各店舗の管理部門をスリム化し、販売部門の人員を確保する計画」らしい。
対象を34歳以下にも拡げると言うことは、よく言われるバブル期の大量採用組の人員整理ではないということだろう。就職氷河期と言われた時代の新卒入社組の30歳前後の層は、能力も高く仕事への取り組み姿勢もとても真剣で、
また採用人数が少ないため、各企業の実際の中核になっているケースが多い。ただし入社以来、ポジション的にもあまり優遇されず、中高年のリストラの中で業務が集中し、疲弊し尽くしている層でもある。
西武の狙いは、聖域なき「リストラで収益基盤を強化」することである。希望退職である以上、割り増し退職金や退職形態の優遇措置がとられているのだろうから、大量の30歳前後の退職も覚悟しているのであろう。
今後は一種の「制度」に近いものになってゆき、幹部候補の人材のみを早期選抜して、それ以外は自由に外へ出てもらって結構、そんな人事体形を明確にしていくのであろう。
◆失業者362万人 [京都新聞 11/29朝刊]
厚生労働省が「10月の有効求人倍率は2ヶ月連続で改善した」と発表したことが掲載されている。有効求人倍率が上昇したということはつまり、2ケ月連続で新規の求人が増加したことを意味する。しかし、総務省の労働力調査によると完全失業率の方は「過去最悪を記録した」ともいう。
求人の数が増えているというのに失業率が上がる、というのはどういうことであろうか。記事によると、「完全失業者数は前年同月より10万人多い362万人と19ヶ月連続で増えており、10月としては最悪の結果となった」ということで、現状は深刻である。坂口厚生労働相は「『地域の事情に配慮し、職業のミスマッチなどの改善策を急ぎたい』と述べた」ということである。ミスマッチとは、企業のニーズと、応募者の就職したい条件が合わないことをいう。
昨今の不況により、多くの失業者が路頭に迷っているのは事実である。しかし、その失業者たちは実際就職先を見つけるためにどのような行動ができているのであろうか。
例えば、職安の求人票や求人雑誌だけを眺めて、「自分が希望する職種は求人募集をしていない」、「高い給料が欲しい」などと条件にこだわりすぎてはいないだろうか。本当に自分がやりたい仕事があるなら求人募集がかかるのを待っているのではなく、タウンページをみて就職したい業種の会社にかたっぱしから電話をかけてみるという手もある。就職難のせいにする前に自分にできることは何であるか、もう一度考えてみることも必要であろう。(浅野千恵)
◆「30歳の2000人」意識調査 [日本経済新聞 12/1朝刊]
日本経済新聞がインタースコープ(東京・目黒)と組んで実施した調査の結果が発表されている。連動記事では「懸命に働けば皆が豊かになり成功できた時代は終わった。一人ひとりが自分の物語を創るしかすべはない」とし、文化庁長官・河合隼雄氏の「それに気付いているのは右肩上がりの経済を知らない30歳代」というコメントを掲載している。
調査は11月中旬に実施され、回答者は28歳〜32歳の仕事を持つ2016人の回答があった模様。回答者の内訳は約4割が男性で、会社員が約6割、契約・派遣社員およびパート・アルバイトが約3割。
「今の仕事にやりがいはあるか」の質問には、「ある」「どちらかといえばある」と回答した人が71.4%。しかし、その中の約6割が転職願望があることがデータで紹介されている。「この世代では仕事の充実感と職場へのこだわりの相関がそれほど強くないことがわかる」とある。
逆に同じ質問に対して「ない」「どちらかと言えばない」と応えた人の、その理由の最多のものは「自分の将来の役立つ知識や技術、経験が身に付かない」(26.3%)で、「仕事を自らの能力を磨く手段ととらえている人が多い」らしい。
また、20年後の日本経済は「今より衰退している」と回答した人が38.5%もあるが、「経済的には(今より)苦しくなるがある程度幸せな生活を送っている」という予測が約半数もあったと報告されている。
「働く30歳」という限定したターゲットに対しての、これほど大規模な調査は初めてではないだろうか。調査はもっと他にも質問項目があるのだろうが、紙面では上記のような結果しか報告されていない。日経ホームページ上でより詳細な結果が発表されると思われるので、同世代の人の「働く価値観」について参考にしたほうが良いかも知れない。
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