京都企業の動き


◆日新電機

 受変電設備製造などを手がける重電メーカーの日新電機(京都市右京区梅津、位光司社長)は22日、中国・江蘇省無錫市に新たに工場用地を取得、電力向けコンデンサの生産工場を建設すると発表した。これまで中国で設置した拠点の中でも最大の拠点になる見通し。同社は、国内の電力向け設備需要が減少する中、中国での電力需要拡大に歩調を合わせる戦略を加速させる。今後、工場用地に順次生産工場を建設し、中国国内の電力需要に応えるほか、東南アジアの需要に応える生産拠点に育てる。

 日新電機が取得したのは、中国江蘇省無錫市高新技術開発区内のおよそ16万uの土地。同社の本社工場敷地(約9万3000u)の1.7倍の規模で中国で最大級の拠点となる。
 土地は、2880万人民元(日本円で約4億2000万円)で取得した。このうち第一期工事として約1万2000uの土地に、工場1棟と事務所棟1棟を建設する。建設費用に3660万人民元(約5億3000万円)を投じた。2004年3月をメドに創業を開始する予定。中国の電力市場の伸びを見極めながら、将来的には工場を5棟まで拡大する方針。
 同拠点で生産するのは、缶形のコンデンサと集合型コンデンサ。従来、同社が中国で行っていたコンデンサ生産(約800万キロバール)の1.5倍(1200万キロバール)に生産能力を拡大する。この生産規模は、工場などで受変電設備に用いられる一般的な缶形コンデンサ(150キロバール)を年に8万個を生産できる計算だ。
 新工場を運営するのは、現地重電メーカーとの合弁でこの年末に設立する「日新電機(無錫)電力電容有限公司(仮名)」。従業員数は500名の予定で、資本金は約18億円で日新電機が70%を出資する。
 同社はこれまで、2001年1月に無錫で設立した合弁会社が現地でのコンデンサ生産を手がけてきた。当初2002年3月に無錫市で取得した4万3000uの土地に、コンデンサの生産拠点を設ける予定だった。しかし、電力需要が予想より急伸。用意した土地で長期的に生産拡大が見込めないため、今回新たに16万uの土地を取得したという。

 日新電機が中国に初進出したのは、1995年12月だった。受変電設備に用いられる変成器を生産する拠点として稼動。1999年12月に需要拡大が見込めたため、工場の生産規模を1.5倍に拡大。以来、中国へ重電機器生産をシフトさせてきた。
 同社が中国へ生産シフトを進めたのは、国内の重電機器需要が大幅に減少したという背景がある。電力各社が、送電網を基本的に整備し、新規の受変電設備需要が激減。機器の更新需要も10年単位の時間が必要となるため、機器によっては、最盛期の3分の1程度まで需要が落ち込んだ。
 一方、中国では送電網が未整備となっている中、世界中から製造業の生産拠点が集中。工場用電力の整備が大きな課題であることから、電力向けの設備需要も急伸している。



◆デジタルアクト

 
画像圧縮技術の開発を手がけるベンチャー企業のデジタルアクト(京都市中京区河原町通二条下ル、斉藤和久社長)は10日、任天堂が発売する携帯型ゲーム機「ゲームボーイアドバンス(GBA)」向けにテレビ電話として利用できるカセットを開発したと発表した。このカセットは、GBAに差し込み電話線につなぐだけで、ほかのユーザーとテレビ電話として話をすることができるもの。デジタルアクトは今後、1万台を限定発売し、需要に応じて生産を拡大する。

 開発した商品は、「カムフォ・アドバンス(CAMPHO・ADVANCE)」(仮称)。このほど、任天堂からGBAの許諾製品として認められ、ライセンス契約を締結。1万台を限定生産し、12月中旬にも発売する。価格は1台およそ1万3000円前後にする予定。
 この商品は、イヤフォンとマイクを附属したGBA向けカセット。GBAに差し込むカセット部分にデジタルアクトが独自に開発した画像・音声の処理チップが搭載されている。利用者双方が、このカセットをGBAに差し込んだ上で電話線につなぐとテレビ電話機として利用できる。
 具体的には、カセットに内蔵された小型カメラが通話者を撮影。GBAの画面上に通話相手と自身の画像が表示される。撮影された画像と通話音声は、デジタル信号として独自に開発した処理チップに取り込まれる。チップは、データをアナログ回線で転送できるデータ量に圧縮。カセットに内蔵されたモデムを通じてアナログ信号に変換し、一般のアナログ電話回線を通じて伝送される。
 通話相手の側では、逆に送られてきたアナログ信号をチップでデジタル信号に伸張。GBAの画面とスピーカーで画像と音声を再現する仕組み。
 カセットに用いられている画像処理チップは、イスラエルのベンチャー企業エンブレイズ・セミコンダクター社と共同で開発したもの。デジタルアクトは、画像圧縮・伸張のコア技術を有しており、ネット上の動画圧縮やビデオカメラの動画チップ向けに商品を開発する。
 「カムフォ・アドバンス」は、デジタルアクトが自社製品として開発から製造・販売までを行う初の商品。一般的にテレビ電話への関心が高まる一方で、実際のテレビ電話専用機やパソコンを利用したテレビ電話の普及が伸びていないことから商品化を決めた。
 GBAを機器面でのプラットフォームに据えたことで、エンターテイメント性をウリにできると判断。一般のアナログ電話回線を通信プラットフォームにしたことでテレビ電話を簡便に利用できるとしている。
 同社は今後、今回の一般消費者向け商品をテコに企業向けの画像処理需要を掘り起こす戦略。これまで、画像録画のためのデータ圧縮チップなどを開発したことから、セキュリティ分野などへの商品提案を加速させる。

 
◆月桂冠

 月桂冠(京都市伏見区南浜町、大倉治彦社長)は、酒造りに使用する麹菌から得られる有用なタンパク質をベースにした研究用試薬事業に進出する。同社としては初めてのバイオ関連事業で、落ち込みが続く清酒事業を支えるもう一つの事業の柱に育てる方針だ。

 商品化するのは研究用試薬「麹菌L-フコース特異的レクチン」。販売面で試薬専門メーカーの東京化成工業(東京都中央区、浅川皓司社長)と提携、10月1日から同社のルートを通じて発売を始める。価格は5mg入り23,000円(消費税別)。
 この試薬は、生体中でタンパク質の結合や保護、細胞同士の情報伝達を担う「糖鎖」と、「フコース」と呼ぶ糖の結合状態を検出・解析するために使う。フコースの結合した糖鎖は生理機能を持つものが多く、ガン検出など医学・生命科学の分野で幅広い応用が期待できるという。
 酒造りに使われる麹菌を遺伝子レベルで解析することにより、同社が2001年に発見した。
 試薬の製造は、同社が独自開発したタンパク質の大量生産システムを用いて行う。このシステムは、麹菌の遺伝子のタンパク質生産を調節する部分(プロモーター)に、目的のタンパク質の設計図となる遺伝子(本件では麹菌のレクチンをつくる遺伝子)をつなぐことにより、通常の麹菌の約1,000倍量の生産が可能という。



◆デジタルパレット芝山

 デジタル染色を手がけるデジタルパレット芝山(京都市中京区西ノ京京職司町、芝山輝彦社長)はこのほど、ナノサイズの材料を応用した染色システムの開発に乗り出した。従来のインクジェットを用いたデジタル染色の工程を簡略化するとともに、製造コストを大幅に下げる。今後、京都工芸繊維大や公的産業支援機関などと共同で研究開発を進め、年度内の実用化を目指す。

 
同社が開発に乗り出したのは、インクジェットプリンターを応用した染色システムに使う染料と染色工程。粒径がおよそ100ナノメートルの染料補助剤や顔料を開発することで、工程自体を簡素化・自動化する。これに伴い、染色のコストを従来の10分の1程度まで下げることを目指す。
 デジタル染色は従来、写真や文様など染色したい意匠をデジタル化。画像処理を加えた上で、専用のインクジェットプリンターを使って生地へ染色するもの。染色の前工程で、染色補助剤を均一に塗布する必要があるほか、染色後の染料沈着のため後工程が必要で、インクジェットプリンター以外の工程はすべて手作業となっている。
 今回開発する染色手法は、インクジェットプリンターで染料を生地に吹きつける際に、染色補助剤も一緒に吹きつける方法をとる。前工程が不要となるほか、吹きつけと同時に染料が生地に沈着するため、蒸着や洗いなど後工程を省くことができるという。
 具体的には、染料を生地に固着させる機能を持つ染色補助剤や、色の素になる顔料を直径およそ100ナノメートルの粒子に加工する。粒径が非常に小さいため、顔料と染色補助剤とを混ぜてもインクジェットプリンターのノズルから噴出が可能になる。粒子の加工技術は、京都工芸繊維大の木村良晴教授らのグループと共同で開発する。また、染料をインクジェットプリンター機の容器に入れる過程や粘度などは、京都市産業技術研究所繊維技術センターと共同開発する。
 染料は従来、機器との相性があることなどからプリンターを製造する企業が販売する専用の染料を使う必要があった。しかし、工程全体の簡略化が難しく、染料自体が非常に高価格となるほか、メンテナンスの面で課題が多く残っていたという。
 インクジェットプリンターによる染色は、手捺染による染色に代替するものとして90年代半ばから普及し始めた。デジタル画像から簡便に染色ができるほか、一点づつの染色など多品種少量生産に対応できるメリットがある。一方、旧来のスクリーン製版を用いた捺染は、人件費コストの低い中国などと価格面で競争力を保てない状況となっている。これらのことから、同社の芝山社長は「この染色手法を早く実用化し、中小染色企業の競争力回復につなげたい」と話している。
 デジタルパレット芝山は、手捺染を手がけていた染色会社。中国での染色に価格面で対抗が難しくなったことから2000年に事業を再構築。30人いた社員を大幅に減らし、アパレル服地やT-シャツ、旗・幕などのプリントデジタル染色の専業として事業構造を転換した。



◆ハートフレンド


 京都市内を中心に食品スーパーの「フレスコ」を展開するハートフレンド(京都市中京区西洞院通四条上ル、井上弘治社長)は来春、100名の新卒人材を採用する。フレスコの店舗数はこの6月、創業以来およそ15年で20店を超えた。急成長中とはいえフレスコは、一地域で展開する中堅食品スーパー。この規模のスーパーが行う新卒採用としては、異例の規模になる。今後、人材教育のプログラム開発に乗り出し、サービスの平準化を図る。同社は、人材供給に合わせて出店ペースを加速させる方針だ。

 
ハートフレンドが採用するのは、大卒を含めた新卒人材100名。2004年4月に入社する予定。現在、同社のスタッフはパート・アルバイトを含めて1200名。内300名が正社員だ。来春以降、同社の正社員数は、3割以上増加する計算になる。
 入社した新卒人材は、例外なく店舗の現場に配属される予定になっている。各店舗への権限委譲が大幅に進んでいることから同社の本部機能は、10人程度で足りるほど簡素化されている。また人事政策上、本部スタッフは店長経験者を登用する方針。このため、まずは現場で経験を積む必要がある。
 ハートフレンドは、1999年から大卒の新卒採用を開始した。2000年春に大卒の新卒人材が初めて入社。それまでは、高卒の新卒採用や、パート・アルバイトからの正社員登用が主体だった。現在300名在籍する正社員のうち、6割にあたる180名が2000年度以降の入社組だという。
 同社は99年5月、発祥の地山科中心の出店から四条通西洞院角の「四条店」で京都市中心部へ初進出した。同店は、およそ260uのL字型店舗。従来の店舗設計の考え方では、「スーパーには合わない」(片山秀樹常務)とされるスペースだ。社内でも議論が巻き起こったが、24時間営業、多頻度の商品補充、床材・外観のグレードアップなどの措置を講じて出店。都市型店舗開発の基礎となった。
 「四条店」開店以来、従来のスーパー出店のセオリーにとらわれない出店方針に傾注。堀川通上立売角の「堀川店」では、町家風2階建て店舗をアレンジ。野菜や鮮魚、精肉など生鮮食品を2階部分に設置し、2階から1階へ客を回遊させる戦術を採った。
 こうして都市中心部に合った店舗作りのノウハウを蓄積したことから、「元コンビニスペースでも出店可能」な体制に。市中心部での出店ペースを維持するためにも大規模な新卒採用を行うことにした。
 同社は今後、人材教育プログラムを開発する方針。20代前半の若い社員が大勢を占めるため、サービスなど業務品質を一定のレベルに保つことが狙い。基礎知識を学ぶ研修体制を構築し、実習プログラムや現場での研修体制を整える。数年程度で店長となれる人材育成を進め、市中心部で都市型店舗の出店を加速させる方針だ。

 
◆京都スエヒロ

 ステーキ専門店を展開する京都スエヒロ(京都市東山区本町、上島唯暉社長)はこのほど、禁煙席を設けない「喫煙レストラン」を宣言した。全席禁煙にしたり、分煙を行うレストランが多い中、「喫煙」を全面的に打ち出すレストランはきわめて珍しい。京都スエヒロは今後、禁煙席を希望する客には喫煙席しかないことを断る。納得してもらえない場合は、「お断りするしかない」(上島社長)としている。

 京都スエヒロが「喫煙レストラン」を宣言したのは今年7月。祇園祭の開催前に、店舗内で「★喫煙レストラン★」と題する紙を張り出した。張り紙には、「当店は【禁煙席】は設けていませんが客席天井には〔調理場用排煙装置〕を設けています。店内の〔給排気〕には気を配っています」と記載。排気設備を整えていることで、非喫煙者でもタバコの煙を気にせず食事できることをアピールした。
 同社は、京都駅前アバンティ地下と錦御幸町上ルに2店舗を出店している。いずれも客自身が熱した石でステーキを焼く調理法を採用。このため、焼肉店並みの排気設備を店舗天井に設置。肉を焼く煙が衣服などにつかないよう、こまめに給排気を調節する。
 上島社長は、「お酒も出すレストランで、男性客が多い。禁煙にすると一気に売上に影響があるのでは、と心配。排気はタバコの煙も一気に吸い出すため、気にならないはず。これでも煙が気になる人は、お断りするしかない」と話している。



◆ソフィア・クレイドル

 携帯電話向けソフト開発を手がけるソフィア・クレイドル(京都市左京区田中、杉山和徳社長)はこのほど、携帯電話アプリケーション制作のプラットフォームに対応した新しいフレームワークを開発した。10日から製品出荷を開始する。同社の開発したフレームワークは、アプリケーション開発に必要な部品群をそろえたもの。企画から開発、運用まで一貫して行う必要があったアプリ開発の生産性を向上させることができる。同社は今後、携帯電話向けにゲームなどを作るソフト開発会社をターゲットに販売を進め、2004年度に売上高1億5000万円を目指す。

 開発したのは「Sophia FrameworkV2.0(ソフィアフレームワーク)」。このフレームワークは米携帯電話技術開発のクアルコム社(米カリフォルニア州)が開発したプラットフォーム「BREW」に対応したもの。日本では今年1月、KDDIが「au」の第3世代携帯電話に「BREW」を採用した。
 近年の携帯電話向けアプリケーションは、ソフトの容量が大きくなっている。これは、携帯電話自体にスケジューラーや電話帳など多機能化が進み、インターネット接続やネットゲーム、Eメールなどネットワーク機能が付加されたため。いずれの機能も1つ1つがソフトとして開発される。このため、電話機能だけの携帯電話に比べ、ネットワークなど多機能化した携帯電話には、およそ20倍から30倍ほどのデータ量があるとされる。
 このため、ゲーム会社などのコンテンツプロバイダは、多大なコストがかかる開発体制をいかに効率化するかが課題だった。
 ソフィアが開発したフレームワークは、文字列処理や図形描画、メモリ管理など汎用ソフトの部品群を蓄積。プログラム言語の「Java」を「BREW」へ移植するための部品群などと併せ、ソフト開発の効率性を高めた。また、「C++」と呼ばれるプログラム言語を用いたプログラミングにも対応した。
 製品価格は、基本ライセンスとして年間100万円、アプリケーションを1つ追加するごとに100万円のライセンス料が発生する料金体系を設定した。
 同社は今後、プラットフォームの「BREW」がJavaなど従来のプラットフォームに置き換わると見ており、開発したフレームワークを携帯向けアプリ開発の基本ツールとして普及を図る方針。具体的には、急成長中のコンテンツプロバイダに導入を働きかけ、実績作りに取り組む。2003年度中に3000万円、2004年度中に1億5000万円の売上高を目指す。



◆カーボテック

 
廃材などの活性炭リサイクル事業を手がけるベンチャー企業のカーボテック(京都市下京区中堂寺、石橋昇社長)はこのほど、京都市伏見区にリサイクル炭を製造する新工場の建設に着手した。同社は2年前、リサイクルプラントのコンサルティング、製造・販売のビジネスモデルから消費者をターゲットにした製品開発に戦略を転換。住宅向けに需要が伸び、従来の製造体制で生産が追いつかなくなったため、工場の新設に踏み切った。今後、一般消費者対象の製品を事業の収益の柱に育てる方針だ。

 新工場は、伏見区横大路のおよそ80uの土地に設置する。建物の床面積はおよそ50u。建設費用など8500万円を投資した。8月8日に建物の基礎部分を着工。10月には設備の導入などを済ませ工場を完成し、11月から本格稼動を始める予定。
 このうち、自己資金は1500万円。2000万円を公的機関から、5000万円を金融機関から資金調達した。
 同社は従来、廃材や食物残さなど廃棄物を独自に開発した炭化炉でリサイクル炭に変えるプラントの機器製造・販売が事業の柱だった。創業から2年程度で炭化のコア技術が固まり99年7月、京都市ベンチャー企業目利き委員会から事業可能性が高いとするAランクに認定されていた。
 プラントの販売面は当初、全国の市町村を対象に中小規模の炭化リサイクルプラントを設置の導入を働きかけた。各地域内で廃材を炭化するリサイクル循環を創り出す戦略だった。
 しかし、新興企業としての実績を問われたほか、営業体制の構築に苦心。プラント導入まで、最長で2〜3年ほど時間がかかることもあり、キャッシュフローを改善するための営業戦略の組み直しが課題だった。
 石橋社長は、2001年ごろから府の支援制度を活用して中小企業診断士の相談を受けるなど解決策を模索。人づてにリサイクル炭を商材に使いたいなどの要望があったことから、一般消費者向け商品の開発に乗り出した。
 同社が現在販売する一般消費者向け商材の柱は、住宅向け吸湿剤。床下にリサイクル炭を詰めた袋を置くことで吸湿させ、住宅環境を改善するもの。2002年秋には、九州に本拠を置くリフォーム主体の中堅建設会社と業務提携。相手先ブランド(OEM)により、住宅用吸湿剤を供給している。このほか、土壌改良剤、冷蔵庫に置く消臭剤などを開発・販売している。
 また2001年4月、ダイオキシン吸着剤として京都市の南部クリーンセンターへリサイクル炭の納入を開始。この実績が認められ、2002年秋には市の西部クリーンセンターへもダイオキシン吸着剤の納入を始めた。
 こうした需要拡大に伴い、従来の生産体制では供給が追いつかないことから新工場の設置を決めた。従来は、滋賀県草津市にある自社工場と滋賀県内の企業へ製造委託する体制だった。新工場が本格稼動を始めれば、リサイクル炭をおよそ1.7倍程度まで増産することができるという。
 カーボテックの2001年9月期売上高は、約9000万円にとどまっていた。経常利益も100万円計上し、単年度黒字化を何とか達成した形だった。消費者向け商品開発を明確に打ち出した2002年9月期に売上高は、1億9000万円と倍増。経常利益も2000万円となった。2003年9月期も売上高は伸びる見通しで、およそ3億円を見込んでいる。
 石橋社長は、「モノを作る技術と同じくらい“モノを売る技術”が重要だと痛感した。今後は、社内の経営体制を構築し、プラント事業と消費者向け商品の販売事業で収益構造を作っていきたい」と話している。


 
◆TOWA

 
半導体製造装置メーカーのTOWA(京都市南区上鳥羽、番條敏信社長)は26日、希望退職者を募集すると発表した。同社は、半導体製造装置市況の低迷から連結単独ともに2002年3月期、2003年3月期と2期連続の赤字に転落。賞与や経費の大幅な削減などに加え、人員削減が不可欠と判断した。今回併せて、役員陣の降格も実施し、経営責任の所在を明確化した。

 TOWAが実施する希望退職者の募集は、同社社員のおよそ1割にあたる50人規模。対象者は30歳以上の全社員で、24日から26日までの3日間で受け付ける。退職日は10月15日。退職者には、退職金のほか特別加算金を支給。外部の専門会社による再就職支援サービスを受けることもできる。
 今回の人員削減により同社は今期、人件費を1億500万円削減できると見込んでいる。来期以降は2億5000万円の人件費が削減できるという。また、今回の人員削減で発生する特別加算金は、期末に特別損失として計上する。
 同社はこれまで、雇用確保を重視する方針だった。2期連続の赤字見込みになったことから2001年10月から2002年3月までの間、緊急避難的にワークシェアリングを実施。新製品・新事業の開拓に乗り出す一方、中国での拠点整備を進めた。
 この6月には、三菱電機から番條氏を社長に迎え入れ経営陣の若返りを図った。7月には夏季の賞与を大幅に削減。12の項目で経費を削減する対策を打ち出した。しかし、市況の回復が予想以上に遅れていることから人員削減に踏み切った。
 今回の人員削減を受け、坂東和彦会長と前社長の奥田貞人副会長は26日、代表権を返上。奥田副会長は10月1日付けで取締役相談役に就任する。また、ほかの4人の専務や常務も取締役に降格。2期赤字が続いた経営責任の所在を明確化した。
 TOWAは1979年、坂東会長が30名の社員で創業。超精密金型を得意とし、半導体製造装置の製造を開始した。同社が手がける装置は、半導体製造の中でも後工程に使われるもの。具体的には、切り出された半導体チップを樹脂やセラミックなどに封入。配線につなぐための外部リードを所定の形状に成型する装置。



◆ティーステップ

 
企業向けのプロモーション支援事業を手がけるティーステップ(京都市上京区小川通り一条上ル、日笠智之社長)はこのほど、司法書士事務所と提携して会社の業務運営から販促・広報活動の支援までを行うサービスを開始した。中小企業で専任の法務担当者や広報担当者を置くことは難しい。このサービスは、こうした企業機能の一部を委託してもらおうというもの。業務運営上のサポートと、販促支援を組み合わせ、顧客企業の収益拡大につなげたい考えだ。

 ティーステップが新サービスのために提携したのは、石田郁雄司法書士事務所(京都市中京区)。新サービスは、「Bussiness Support21(ビジネスサポート21)」と名付けた。
 サービス内容は、@簡単な法律相談、A契約書や登記書類などの作成、B広報宣伝支援、C販促支援など。主な対象には、中小企業を想定している。また、中小企業だけでなく、創業・起業を準備している人にもサービスを提供するとしてる。
 中小企業では、企業内人材の不足や人件費の限界などから自社で専任の法務担当者や広報担当者を置くことが難しい状況。一般的には、総務部などが兼任している例が多い。このため、専門知識が必要な書類作成などに負担が大きいほか、十分な広報・宣伝活動に取り組めない場合がある。
 今回のサービスは、こうした企業内の機能が不足するという課題を、各専門家に委託してもらおうというもの。企業は、会社運営面での労力やコストを下げることで、本業の収益拡大に経営資源を集中させることができる。
 サービスの利用にあたって、料金体系は設けない方針。個別具体的に必要なサービス毎に料金が発生する仕組みにする。問い合わせは、ティーステップ(電話:075-415-8741、E-mail:info@t-step.jp)まで。




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