京都企業の動き


◆ビアンコ・ジャパン

 
建物の外壁洗浄などに使う薬剤を製造・販売するビアンコ・ジャパン(京都市南区上鳥羽、長束義浩社長)はこのほど、塗料大手の関西ペイント(大阪市中央区)と業務提携を締結した。ビアンコは5月、関西ペイントに対して同社が製造する外壁用薬剤をOEM(相手先ブランド製造)で供給する。ビアンコは、関西ペイントとの提携で特にマンションの外壁に使う薬剤の販路を拡大することが狙い。薬剤の製造・供給体制を充実させるため、第三者割当増資を行い製造工場を新設する。

 ビアンコが関西ペイントに対してOEM供給するのは、ビルやマンションの外壁洗浄などに使う薬剤「アレストアシリーズ」の10アイテム。具体的には、建物の外壁に用いられるタイルの洗浄剤、御影石のクリーナー、アルミサッシやステンレス部分のクリーナー、サビ除去剤、フッ素皮膜のコーティング剤など。
 従来、特に建物外壁に用いる洗浄剤は強力な酸を用いることが多かった。同社製品は、クエン酸や酢酸などの食品添加物を使用。強い酸の使用時に比べ、安全性が高いほか、施工時のコストをおよそ従来工法の半分近くにまで下げることができるという。
 こうした製品の強みをウリに、これまでビアンコは自社で製造から販売、施工まで手がける体制を整えた。施工までを手がけることで、現場で薬剤の品質を確かめることができるほか、新製品のニーズを掘り起こす狙い。
 しかし、マンションなどの改装に伴う外壁洗浄などを請け負うためには、設計事務所の指定業者になる必要があるなど販売面が最大のネックに。このため昨年8月頃から、マンションやビルなどの外壁改装に販売ルートを持つ塗料会社との提携を探っていた。
 マンションの外壁は、塗料に代わってタイル張りとする物件が増えている。このため関西ペイントには、マンション向けの外壁改修で、塗料の代わりに洗浄剤を販売することで活路を見出すというメリットがある。
 今回の業務提携で両社はすでに契約を交わし、5月にもOEM供給を開始することで合意した。ビアンコは、来期中(2005年6月期中)に関西ペイント経由の製品販売でおよそ2億円の売り上げを目指す。このほか、ビアンコ独自の販売や施工などを含めた2005年6月期の売上高目標は、11億8600万円。2004年6月期の売上高は、2億5300万円ほどになる見通しという。
 今回、関西ペイントへの供給体制を整えるため、ビアンコはベンチャーキャピタルなどを対象におよそ1億9000万円の第三者割当増資を行う。増資を実施後に累積損失を一掃。増資額のうちおよそ6000万円を新たに設置する生産拠点の整備に充てる。すでに京都市伏見区竹田に生産拠点となる物件を確保した。新工場では、2005年度中に月産で従来の生産量のおよそ150倍の量産体制を整える。
 今回の業務提携でビアンコの長束社長は「従来は受注に応じて売り上げの変動が大きかった。今回の提携で、通年の安定した売り上げを見通せる。今後3年ほどでマンション外壁向けの事業を安定化させたい。その後来年にも、一般家庭や自動車需要に対応した製品開発に着手したい」と話している。


◆ワタベウェディング

 
大手結婚総合サービスのワタベウェディング(京都市上京区烏丸通下立売上ル、渡部隆夫社長)は21日の取締役会で、老舗の総合結婚式場、目黒雅叙園(東京都目黒区、吉川奈緒美社長)の経営権を取得し、子会社化することを決定した。これにより首都圏での売り上げを従来の約2倍に押し上げ、グループ全体での売り上げ増を目指すとしている。主力である海外挙式に加え、国内での挙式事業も拡大・強化し、相乗効果を狙う戦略だ。

 ワタベウェディングによると、目黒雅叙園を運営している米投資会社イーエー・インベストメンツ・ワン・エルエルシー(米デラウェア州、ベンジャミン・ドリュ−・ベルミン社長)が所有する株式を2回に分けて取得。5月1日に1233株を取得して、経営権を移譲。ワタベウエディングは役員3名、監査役1名、社員4名を派遣する。
 翌年1月31日には残りの636株を取得し、完全子会社化する計画だ。取得するのは経営権のみで、土地・建物は取得しない。雅叙園のこれまでの従業員118人の雇用は継続するという。
 これによりワタベウェディングにとっては、披露宴、衣装、旅行など総合的なブライダルサービスを提供できる総合結婚会場を取得したことになる。式場の規模としても国内拠点としては最大となる。今後は同社のプロデュース力と、雅叙園の知名度とノウハウを活用することで、海外と国内の事業を融合する拠点にしていきたいとしている(広報担当者)。また首都圏での売上高も倍増を目指すとしている。
 初年度(04年5月〜05年3月)は、今年度9月期までに売上高約50億円を目指し、黒字への転換を図る。また、年間で1400組の挙式の取り扱いを目標としている。これによりグループ全体での売り上げも25〜30%の増加を見込んでいる。
 目黒雅叙園の昨年9月期(5月1日〜9月30日)の売上高は19億4400万円。経常損失、当期損失は共に2億700万円だった。


◆日新電機

 
日新電機(京都市右京区梅津高畝町、位高光司社長)は12日、大幅に小型化した新型のガス絶縁開閉装置(GIS)の販売に乗り出すと発表した。2万4000キロボルトに対応するタイプでは世界最小のサイズ。従来の顧客であった電力会社に加え、増加しているビルや工場などへの設置ニーズに対応していく。コンパクトなサイズであることを強みに国内での新規の顧客掘り起こしを目指している。

 このたび開発された製品は「XAE2V」で、昨年発表した「XAE7」の後継機器。床面積を約54%、体積を約34%縮小しており、エレベーターでの搬入出が可能なサイズとなっている。
 GISは電気系統の切り替えや、事故が発生した緊急時に、絶縁性の高いガスである六フッ化硫黄を使って高電圧の電流を切り離す装置。変電所や工場、ビルなどに設置されている。XAE7以降、GISはこれまで高圧電流の領域では難しいとされていたエア・エクスパンション(AE)技術と呼ばれる真空遮断機構を採用している。これは開閉装置の内部に保たれている絶縁ガスを、自動的に噴出する技術。装置内部のコイルで磁力を生じさせると共に高い気圧を生み出し、磁力とガスの吹き付けによって放電現象を(アーク)を消す仕組みとなっている。
 また従来の絶縁開閉装置では、遮断機部分に3位置断路器という方式が使われていたが、同方式では縮小化に限界があった。これをロータリー式にして、薄型で平面的に駆動できる方式を採用。この遮断機部分に、従来製品では分離していた接地開閉器を一体化させ、小型化を実現した。
 GISの小型化により、設置される工場やビルにおけるスペースの有効活用できる。運搬の省力化が可能となるため、設置工事の期間も短縮できる。建設面積が縮小できるため建設コストを削減することができるとしている。複数のGISを接続する絶縁母線と呼ばれるケーブルも、新型GISでは外付け接続の処理をする必要がなくなるため工事時間を短縮することができる。
 同製品により今期は1億円、来期は3億円の売り上げを目指すとしている。 日新電機の位高社長は、GISの小型化を方針として進め、国内需要のさらなる掘り起こしを目指していることを明らかにした。それによると同社は、需要に限界のある電力会社を主要な顧客としていたこれまでの方針を修正。新規需要の見込めるメーカー、ビル会社への販売を強化するとしている。
 位高社長は「新型のGISは、国内の変電所などでの買い替え需要に加え、新築のビルやメーカーが増設する工場などへ売り込んでいく」と意気込みを語った。
2007年までに2万4000キロボルト対応のGISで、現在16%ある国内シェアを30%に拡大。これにより、同製品分野での業界第3位を目指している。
 5月に大阪で開催される電設工業展に出品。それ以降に顧客への見積もりを開始し、本格的な販売に乗り出すという。


◆京都三条ラジオカフェ


 限られた電波範囲でコミュニティFM放送局を運営するNPO法人京都コミュニティ放送(=京都三条ラジオカフェ、京都市中京区三条御幸町、有本嘉兵衛理事長)は今年度、大学などで学生や一般向けにラジオ番組の制作を教える教育事業に乗り出す。同局は、一般市民から番組制作者を募り、番組枠を買ってもらうという収入構造。市民向けにラジオ番組の制作教室を開くことで、番組制作者の掘り起こしを図る。従来の放送事業と一線を画した事業として立ち上げ、収入構造の柱の1つに育てる戦略だ。

 京都コミュニティ放送は2003年の事業年度(1月〜12月)中に、立命館大、龍谷大、仏教大、京都嵯峨芸術大など複数の大学のゼミと連携。ゼミの一環として、実際にラジオ番組を制作・放送する教育の支援を行った。また、大学が設置する学生・市民向けの公開講座で授業の依頼を受け、ラジオ制作を行うための講義を行った。
 具体的に嵯峨芸術大学では、アートとしての音を表現するというテーマで番組制作を行った。学生に、ラジオ番組の制作に関わる編集手法などを講義。パソコン上で、音質を調整するなどの実務も行った。最終的に、同局の放送枠を使って放送した。
 2003年度中は、こうした教育的要素の大きい番組は、番組の放送利用料で収入を得る形だった。また、大学で実施した公開講座も、実験的な取り組みとして位置付けていた。
 しかし、公開講座の受講生が個別に、難民の日常生活を伝えることをテーマにした番組を制作したいと同局の放送に申し込んだ。このため、大学で行う教育事業が番組制作者の掘り起こしにつながると判断。大学側からも公開講座で講義するよう複数の依頼があったことから、2004年の事業年度から放送事業と一線を画して新たに教育事業を立ち上げることを決めた。
 2004年度ではすでに、京都精華大(京都市左京区岩倉、中尾ハジメ学長)の公開講座で前期と後期にわたって公開講座を行うほか、龍谷大学(京都市伏見区深草、神子上恵群学長)でも公開講座を行う予定としている。
 京都コミュニティ放送では、大学のほか高校、専門学校でも番組制作を教育内容とすることに需要があると見込んでいる。高校の放送部などが実際のFM放送を行う取り組みに支援するほか、専門学校の分野に応じた番組制作の支援を行う方針。また、教育機関と連携した教育事業のほかに、独自の教育事業を模索する。
 具体的には、一般市民向けにラジオ番組の制作を教える講座のほか、「話し方講座」などを行うことを検討する。これらの取り組みを通じて2004年度中に事業としての収入構造を確立させ、2005年度から本格的な収入の柱に育てる方針としている。
 同局の福井文雄理事は「開局当初から、番組制作者のインキュベーター放送局としての姿を描いていた。市民1人1人が、ラジオカフェでいろいろな表現をしてもらいたいと考えている」と話している。


◆京都・ビジネスモデル推進センター

 
京都商工会議所(京都市中京区烏丸夷川上ル、村田純一会頭)で創業・起業への支援を行う京都・ビジネスモデル推進センター(京都市中京区烏丸御池、坂口俊一センター長)は2004年度、大学を発祥としたベンチャービジネスへの支援体制を強化する。大学の教員が保有する研究成果を元に起業する「大学発ベンチャー」と、学生が起業する「学生ベンチャー」とに分類。それぞれに、支援対象となるビジネスモデルを発掘し、専門の相談員が経営の現場で支援する。
 
 同センターはこのほど、「第7回ビジネスプランコンテスト」の応募を開始した。従来、同コンテストは募集するベンチャービジネスを一元化していた。今回、募集を(1)大学発ベンチャー、(2)学生ベンチャー、(3)一般ベンチャーの3部門で実施。大学を発祥とするベンチャービジネスの発掘を明確に打ち出した。
 また、同コンテストに応募し「ビジネスプラン認定」を受けたベンチャービジネスが、受けられる支援特典も衣替えした。具体的には、市場調査やプロモーション活動、顧客マッチングなどマーケティングに関する支援項目を強化。大学発ベンチャー部門には、マスコミや他企業からの問い合わせを受け付ける一次窓口支援などの支援を行うとしている。
 同センターの坂口俊一センター長、植西雄司副センター長は、いずれもオムロン(京都市下京区塩小路堀川東入ル、作田久男社長)からの出向者。いずれも、オムロンで新規商品の開発、新規事業の立ち上げ、事業運営などの経験があることから「特に技術特化型のベンチャーに経営や営業などの面で支援ができる」(坂口センター長)としている。
 今後、6月末まで「第7回ビジネスプランコンテスト」の応募を受け付け、応募に応じて同センターが「ビジネスプラン認定」を実施。合わせて、各企業ごとに必要なマーケティング支援を行う。また、事業運営に必要な人材紹介支援も今年度から新たに行う。特に、営業や経営企画などの面で人材供給を行う方針としている。


◆堀場製作所

 
堀場製作所(京都市下京区吉祥院、堀場厚社長)はこのほど、工場から排出されるガスを長期間連続して分析できる装置を新たに開発した。20日、日本を始めアジア市場に向けて発売する。同社の開発した「煙道排ガス分析装置」は、省力化に対応する設計がなされている。設置場所の制限をなくすため、従来の製品よりも大幅に小型化。3次元CADによる空間設計によって、装置の容積を縮小。同社の従来製品に比べて、約2分の1のサイズにすることに成功している。

 同装置は奥行きを短くしているため、操作頻度の高い全面部に一定のスペースを作ることができるという。また、作業の効率化のため、操作部分には指一本で操作のできるタッチパネルを採用。履歴機能があるため測定データは自動的に記録され、タッチパネルの画面上で即時に確認できる。このため、手書き作業でのデータ管理が不要となった。
 同装置はネットワーク(LAN)接続にも対応しており双方向での情報送信ができる。これにより海外でのニーズが高い、遠隔操作でのモニタリングや機器診断、ソフトウェアのバージョンアップにも対応している。
 排ガスの測定には、クロスモジュレーション方式と呼ばれる方法が採用されている。同方式では、排ガス中の窒素酸化物や一酸化炭素などの気体に赤外線を照射。赤外線の吸収度合いによって、各物質の成分を分析する。さらにそれぞれのガスを交互に測定し、赤外線の光路のズレや、測定部の汚れによる誤差を減らす設計がされている。これにより長期間連続でも、正確な測定値を得ることが可能だという。
 堀場製作所によると初年度の販売目標は250台、来年度は500台としている。国内市場での買い替え需要と、潜在需要の高いアジア地域の市場へ売り込んでいくとしている。


◆エムケイ


 タクシー大手のエムケイ(京都市左京区下賀茂、青木信明社長)は8日、今年10月に運行を開始する予定のバス事業で、新たに5路線の認可を近畿運輸局に申請した。これまで、京都市長がエムケイのバス事業に対し批判したことなどから、エムケイ側は走行するタクシーに市バスの運営姿勢を批判する看板を設置。京都市とエムケイとのバスをめぐる対立構造が鮮明化している。今回のバス路線申請で、両者の溝が深まりそうだ。

 エムケイが認可を申請したのは(1)今出川丸太町路線、(2)御池四条路線、(3)五条七条路線、(4)堀川河原町路線、(5)烏丸千本路線の5つ。いずれの路線も、すでに認可されている循環路線と同様、一回の乗車料金は均一200円。一日乗車券を400円、1ヶ月の通勤定期を5000円とするもの。エムケイタクシーを利用すると乗り継ぎの無料サービスがあるほか、タクシー割引付バス定期券、乗り継ぎ割引なども同じ条件で実施する予定という。
 運行開始時期については未定だが、「認可されてバス停を確保でき次第、順次営業を開始する」(経営企画部)としている。これまでに、55ヵ所のバス停を確保した。この内、10ヵ所は市バスのバス停と共用する。2005年の春までに全路線を合わせて合計255ヵ所のバス停を確保する予定という。
 エムケイ(京都市北区上賀茂、三木正雄社長)は2001年9月、バス事業へ新たに参入することを正式に表明した。このとき、市バスを運行する京都市交通局や民間ののバス事業者に対して連携を呼びかけていた。
 エムケイはバス事業へ正式に参入を表明する以前にも、1999年に市内の繁華街を1周して運賃を100円に設定したバス事業を申請。試乗会まで実施していた。しかし、京都市が同年、市バスの収益を守るための対抗措置として100円バス実施を決定。エムケイは「(100円バスを走らせるという)目的が達成された」として事業申請を取り下げていた。市交通局は2000年4月、100円バスの運行を開始した。
 一方、市交通局は赤字が続く市バス運営を合理化するため2002年9月、市バス事業の経営合理化案をまとめた。この合理化案では、バス車両や車両基地となる営業所の管理のうち民間へ委託する割合を2分の1にまで引き上げる方針を示した。従来、一部の営業所でバスの管理などを部分的に民間に委託していたが、本格的な民間委託手法の導入に踏み込んだ形だった。合理化案では2008年度までの7ヶ年計画で順次民間への管理委託を拡大する予定にしている。



◆立命館大学

 
立命館大学(京都市北区等持院北町、長田豊臣学長)はこのほど、社団法人、日本音楽著作権協会(JASRAC、東京都渋谷区、吉田茂理事長)による寄付講座をこの春開設した。第一線で活躍する音楽プロデューサーらを講師に招いて、コンテンツビジネスをテーマに講義を行う。同大学は現場を知る講師を多数招くことで、実践的な講義にしていきたいとしている。

 立命館大産業社会学部は、JASRACと連携して今後3年間、同講座を実施する予定。講師料などの講座を実施する経費はJASRACが寄付する。同団体の寄付講座が関西で開設されるのは今回が初めて。
 同講座は立命館大の客員教授で、元ソニー・ミュージックエンターテイメントの社長を務めた功刀(くぬぎ)良吉氏が1年前に開設を提案したもの。
 講師には、歌手尾崎豊をプロデュースした須藤晃氏や、アニメ映画の製作を手がけてきた白川隆三氏らを招く。また著作権犯罪に関する講義も予定している。講義は前後期15回づつ。京都駅前にある大学コンソーシアムで講義は行われ、単位互換授業として他大学の学生や社会人らにも開放される。
 JASRACは、近年の音楽産業低迷を受けて、音楽CDの違法コピー防止や著作権・知的財産への認識を広める啓発活動に乗り出している。大学で実施している寄付講座はその一環。同団体によると、音楽CDの購買意欲がおう盛な学生たちに知的財産や著作権に対する認識を深めてもらいたいとしている。
 JASRACの寄付講座はこれまで成蹊大学(東京都武蔵野市、栗田恵輔学長)や慶応大学(東京都港区、安西佑一郎塾長)で実施されてきた。両大学では法理学や文化的な側面を重視した講義が行われてきたという。立命館大での講座は、ビジネス面を重視した講義を行う予定。受講生らは、社会において著作物や知的財産などのコンテンツが、どのように有効活用されているかを学ぶ。
 JASRAC文化事業部によると単位互換制度があり、他大学や一般の人々など幅広く講座を開放できるため、京都での開講が適切と判断したという。



◆エコロタクシー

 
エコロタクシーを運営するエコロ二十一(京都市中京区西ノ京小倉町、味村啓三社長)の業績が今年に入ってから伸びている。1月から月次で黒字が続いており、決算のある9月には初めての黒字となる見通しであることを同社は明らかにした。今期は約1億5千万円の年間売上げを見込んでいる。小規模なタクシー会社だが、リピーターの確保と少人数で平均的な稼働率を維持することで黒字化を達成した。

 エコロ二十一は全社員が株主となって会社の運営に参加、社長も自らハンドルを握るというユニークな経営を行っている。
 同社の創業は2002年2月。道路運送法の改正により、タクシー事業の新規参入への規制が緩和されたのを機に、MKタクシーの元乗務員ら12人が出資し、株式会社として発足した。近畿陸運局への申請を経て、同年12月に10台の車両で営業を開始。「乗客にも乗務員にも優しい人権を尊重するタクシー会社」という基本理念を掲げた。
 「タクシーで不快な思いをしたという乗客が多い。また労働条件の悪い職種と思われている。そのような(タクシーの)悪いイメージを変えたい」と同社の五十嵐道和専務は意気込む。
 MKタクシーでの勤務経験を生かして接客サービスを重視。運賃は初乗り2キロ570円という最下限に設定した。
 また、環境への配慮からアイドリングストップの車両を導入。自転車を載せるためのキャリアを全車両に搭載したり、デビットカードも使用できるなど独自のサービスを展開。また乗客への責任を明確にするとの方針から人身傷害保険に加入。事故にあった場合でも乗客にただちに保証できる体制を守ってきた。
 設備や乗客へのケアを充実させている分、経費の占める割合が高い。同時に接客サービスを維持するため「泥酔者などの乗車を断る(五十嵐専務)」こともあるという。これらが足かせとなって、黒字化は予想より遅れたという。
 転機は今年の1月。13台目の車両を導入してから売上げが徐々に上向いてきたという。黒字化の要因は、少人数で90%以上の稼働率と約41%の乗車率を維持し続けた。同時にリピーターの確保に務めたことだ。
 京都市の繁華街である河原町六角通りのエリアに車両を集中させ、同エリアでの知名度の浸透とリピーターの確保に務めた。接客サービスがよいことからリピーターとなる乗客の割合は比較的高いという。
 また、社員が経営に参加していることから、会社存続を優先する社内コンセンサスがある。このことから人件費を圧縮したことも黒字化の要素に挙げられると、同社は話している。
 現在の社員数は32名。今後、1期ごとに10台ずつ車両を増やしていく計画だ。五十嵐専務は「最終的には50台、社員120人の事業規模を目指す。乗務員の労働環境も他社より充実させていきたい」と話している。


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