京都企業の動き


◆大日本スクリーン製造

 大日本スクリーン製造(都市上京区堀川通寺之内上ル、石田明社長)は22日、台湾にフラットパネルディスプレー(FPD)の製造装置を扱うサービス拠点を開設し、中国に置くサービス拠点の人員を強化すると発表した。この拠点は、顧客向けにFPD製造装置の保守管理を行うもの。7月から8月にかけて順次拠点開設と人員拡充を行い、保守サービス体制を強化する。

 同社が新たに開設するのは、台湾・台中市の台中カスタマーサービスステーション。同社はこれまで台湾の半導体・FPD事業を手がける現地子会社大日本スクリーン・エレクトロニクス・台湾を通じて3ヶ所にサービス拠点を開設。今回の新設により、サービス拠点は4ヶ所となる。
 新設するサービス拠点は、7月28日に日本人スタッフを含む約30名体制で業務を開始する予定。また、台南地区を担当する台南カスタマーサービスステーションを台南カスタマーサービスセンターに改称。30人規模に拡大し、新たに営業スタッフ2名を配置。サービスと営業の両面体制を整える。
 一方、中国では現地子会社の大日本スクリーン・エレクトロニクス・上海の北京事務所にサービス担当要員を配置。9月に日本人を含む8名体制に強化するとしている。


◆島津製作所

 島津製作所(京都市中京区西ノ京、服部重彦社長)は20日、分析計測事業分野で重点的に新商品を投入し、事業展開を加速させると発表した。新商品を投入するのは、液体や気体中の成分を分離分析する機器。いずれも、食品や医薬品、化学製品などの分析に必要な装置で、同社の売上高のおよそ50%を占めている。同社は今後、これらの分析機器のシェアを2倍に伸ばすことを目指す。

 島津が新商品を投入するのは、液体分析に使われる液体クロマトグラフと呼ばれる分析手法に用いる分析機器と、気体分析に使われるガスクロマトグラフと呼ばれる分析手法に用いる分析機器の2つ。
 液体クロマトグラフで島津は、これまで世界市場の9%、国内市場の30%のシェアを握っているという。液クロの分析機器は、医薬品や食品などライフサイエンス分野の分析に用いられる。食品の安全性確保や環境保全を目的にした成分分析が増え、需要が世界市場で毎年7%ほどの伸びを示しているという。また、分析結果のデータをネットワーク環境で管理することが求められるようになった。
 このため島津は今回、発売した新商品にデータ管理がネットワークを通じて一元管理できる情報システム、アプリケーションを付加した。具体的には、製品本体を直接ネットワークに接続できるように開発。ウェブブラウザで分析データの管理ができるもの。
 今後、検査機関が必要とする分析内容に合わせて、機器からアプリケーションまで提案できるシステムとして売り込み、初年度3000台の販売を目指す。また、液クロの分析機器全体は、2006年に世界市場で15%のシェア獲得を目指すとしている。
 ガスクロマトグラフは、石油化学製品や医薬品、食品の品質管理に用いられる分析手法。近年では自動車燃料に含まれる微量の硫黄や、半導体製造過程でもいいられるガスの分析に使われている。島津は1956年に、ガスクロの分析機器を発売。世界市場では8%、国内市場で44%のシェアを握っているという。
 島津はガスクロ分析機器に今回、習熟度の低いオペレーターでも簡単に操作できるよう設計した新商品を投入。品質管理の現場で、誰が操作しても一定の精度で分析できるようにした。具体的には、制御に使うコントローラーにデジタル入力可能なものを採用。従来機種に比べ、再現性が5倍以上改善したという。
 同社はこの装置を初年度1500台販売する予定。2006年には国内シェアを50%以上に拡大し、世界シェアも従来の約2倍ほどに伸ばすとしている。


◆デジタルアクト

 
画像圧縮技術の開発を手がけるデジタルアクト(京都市中京区河原町通二条下ル、斉藤和久社長)は30日、任天堂の携帯型ゲーム機「ゲームボーイアドバンス(GBA)」をテレビ電話として利用できるカセット発売する。このカセットは、GBAに差し込み電話線につなぐだけで、テレビ電話としてほかのユーザーと利用できるもの。今後、1万台を限定発売し、年内に5万台を販売する計画という。

 発売する商品は、「カムフォ・アドバンス(CAMPHO・ADVANCE)」。任天堂からGBAのライセンス許諾製品として認められたもの。昨年12月中旬に発売する予定だったが、電源の問題などから設計を見直したため、発売時期がずれ込んだ。
 この商品は、イヤフォンとマイクを附属したGBA向けカセット。GBAに差し込むカセット部分にデジタルアクトがイスラエルのベンチャー企業と共同開発した画像・音声の処理チップを搭載。カセットをGBAに差し込んだ上で電話線につなぐだけで、テレビ電話機として利用できる仕組み。
 「カムフォ・アドバンス」は、デジタルアクトが自社製品として開発から製造・販売までを行った初の自社商品。同社は従来、画像圧縮技術をコアに、メーカー向けチップの開発を行うビジネスモデルを構築してきた。
 今回、ゲーム機器を使うことで、エンターテイメント性をウリにできると判断。パソコンやテレビ電話専用機器に比べ、一般のアナログ電話回線を使うため、簡便なテレビ電話システムになるとして商品化した。
 同社は第一弾の販売として1万個を限定発売する。価格は税込みで1台19000円。また今後、一般消費者向けの販売に加え、企業向けの需要を開拓。具体的には企業内の通信システムとして提案するほか、過疎地などでの通信システムとしても需要を開拓し、年内に5万セットの販売を目指す。


◆ドリコム/シンカ

 
インターネットシステムの開発を手がけるドリコム(京都市下京区東洞院通四条下ル、内藤裕紀社長)はこのほど、新卒人材の採用支援事業を手がけるシンカ(京都市下京区七条通烏丸西入ル、長谷真吾社長)と提携した。両社は、テキストデータをフォーマットにしたがって入力するだけで簡便にホームページを作成できるツール「ブログ(blog)」を人材採用やインターンシップ企画運営などに活用する。ドリコムは、ネットポータルサイト向けのシステム提供に加え、人材採用分野で「ブログ」の収益化を加速させる。 

 今回の提携でドリコムは、「ブログ」システムを一定程度カスタマイズした上で、シンカに提供。シンカは人材採用支援を行っている顧客企業に対し、シンカの運営するインターンシップ情報サイト「INTERPERSONAL(インターパーソナル)」を通じて「ブログ」の機能を提供する。ドリコムは、「ブログ」システムの企画、システム提供後の運営を行うもの。
 シンカは具体的に、顧客企業が行う採用広報、内定者の管理、インターンシップの企画運営などで「ブログ」システムを使う予定。企業の採用担当者の生の声を「ブログ」でホームページに反映させることで、学生と企業とのコミュニケーションを図る。
 「ブログ」は日記のような感覚でホームページを更新できる機能。ドリコムは、これまでブログサービス「マイプロフィール」を運営。13万人の会員を有している。ドリコムはこれまでインターネット上のポータルサイトを運営する事業者に対して「ブログ」機能を提供し、収益化してきた。
 今回の提携でドリコムは、人材採用分野での情報共有化ツールとして「ブログ」の事業化を加速させる。このほか、企業内の社員の情報共有化システムとしても商品開発を進める予定としている。


◆ニッセン

 通信販売大手のニッセン(京都市南区吉祥院、片山利雄社長)は13日、大手ベンチャーキャピタルの日本アジア投資(=JAIC、東京都千代田区、立岡登與次社長)と共同で、ベンチャー企業への投資を行うファンドを設立したと発表した。このファンドは、ニッセンの顧客データベースを活用するベンチャー企業の発掘を行うもの。ファンド総額は6億円で、7年の期限で運営する。ニッセンは、ベンチャー発掘を通じて顧客データベースをコアにした事業展開を加速させる。
 ニッセンがJAICと共同で設立したのは「ニッセン・JAIC1号ベンチャー支援ファンド」。このファンドの投資対象となるのは、@ニッセンの顧客データベース活用で事業成長が見込めるベンチャー企業、Aニッセンのインフラ・ノウハウ活用で事業成長が見込まれるベンチャー企業、Bニッセンのインフラ強化につながる機能を有するベンチャー企業の3つ。
 ニッセンは、これまでに通販事業で蓄積した顧客データを中核に据えた事業戦略を策定。マーケティングサービスや、流通機能を他企業に提供するなど事業化を探っている。このため、ニッセンは「データベース活用企業へ発展するための一施策。社外の経営資源を新規事業の開発に活かせると考えた。JAICと組むことで、全国レベルのベンチャー企業のネットワークとベンチャー育成のノウハウを活用することができる」(コーポレートセンター)としている。



◆アークレイ

 臨床検査機器などの製造・販売を手掛けるアークレイ(京都市南区東九条西明石町、土井茂社長)は14日、医療ベンチャー、エムシー研究所(東京都中央区、林哲也社長)と事業提携を締結したと発表した。今後、2社は共同で製品開発を行い、医療機関への普及を目指すとしている。今回の提携で、アークレイは予防医療事業を強化する戦略だ。

 アークレイが業務提携を結んだエムシー研究所は、血液のサラサラ度合いを測定・記録する測定装置「エムシーファン(MC FAN)」の研究開発を手がけた。
 同装置は、微細加工が施されたシリコンチップ上に採血した血液を流し込むことで、血管内と同じ血液の流れを再現。これにより血液中に含まれる老廃物の度合いを測定・記録する。また、附属のテレビモニターで血流の様子を観察することも可能。高脂血症や糖尿病などの生活習慣病の進行度をチェックする装置として活用が期待されている。
 予防医療事業の強化を進めるアークレイは2003年秋、エムシーファンの機能に着目。装置普及・市場拡大を目指して、開発を手掛けたエムシー研究所に業務提携を働きかけた経緯がある。2社は今後、同装置の臨床面における有用性をPRし、小型化・低コスト化や販路の確保を進めていく。
 アークレイによると、当面はエムシーファンを使った血液検査への医療保険適応を目指すとしている。医療保険の適応をうけるためには、厚生労働省の認可が必要となる。このため、医療関係者らに装置の有用性をPRすることで、厚労省の認可取得に向けて働きかけるとしている。 
 また価格が670万円と高額であることから、商品の低価格化・小型化に向けての検討も同時に進めていく。アークレイの広報担当者によると、病院や開業医などに幅広く売り込むため、100〜200万円台の価格設定を目指しているという。
 アークレイはエムシーファンの普及に取り組むことで相乗効果を狙い、自社で取り扱う予防医療向け商品の需要拡大につなげる戦略だ。
 アークレイは「尿検査や血圧検査のように、どの院であっても日常的に使用されるよう、装置の普及を目指す」(広報担当者)としている。



◆高槻電器工業

 電子部品の製造を手がける高槻電器工業(京都府久御山町、山崎浩社長)はこのほど、基板上のピン(突起部)に差し込むことで発光する発光ダイオード(LED)を開発した。LEDは従来、基板上に固定し回路につなぐため、ハンダ付けが必要だった。このLEDはハンダ付けの工程が不要で、ランプ部分を着脱できるLEDとして商品開発に乗り出す。第一弾の商品として、高齢者のリハビリテーションに用いるボードゲームを製作。今後、自社のオリジナル商品として販路構築を進める。

 高槻電器が新しく開発したLEDは、電流を流すリード線部分を差し込み型の穴状に加工。基板側に突起状のピンを2本立てているもの。これによりハンダ付けすることなく、LEDのランプを差し込むだけで固定できる。差し込み型となっているため、着脱は容易にできるという。
 従来LEDは、電流を流すリード線と基板をつなぎ合わせていた。固定にはハンダが使われている。新商品では、ハンダ付けに比べ製造コストは高くなるものの、着脱が可能な点を商品の優位性として位置付ける。また、放熱効果を高める設計を導入。高い熱を発する高輝度向けにも対応する。
 この新型LEDの特性を活用した第一弾の商品として、高齢者向けリハビリテーション用のボードゲームを製作。高齢者の手と指先の訓練を促すゲームで、マス目状のボードにLEDランプをはめ込んでいくと点灯する仕組み。
 同社は試作品をいくつかの老人福祉施設に無償で提供する予定。使用状況を見ながら改良を加え、8月下旬に試作販売を始めるとしている。価格は1台あたり5000円〜6000円ほどに設定する。全国の老人福祉施設や病院を対象に販路の確保に乗り出す。
 同社の営業を担当する稲葉敏雄取締役は「当初は玩具への応用を考えたが、他社がすでに商品化していた。後追いより、他社が進出していない分野の商品を開発しようとリハビリ向けボードゲームを試作した」という。商品の開発には、財団法人京都産業21(京都市下京区中堂寺南町、立石義雄理事長)の助言を受けたという。
 高槻電器は今後の事業戦略として、今回のリハビリ向けボードゲームを、差し込み型LEDの用途開発に向けたたたき台として位置付ける。試作販売を通じ、性能面や実用面の改善点を抽出。具体的な応用商品の検討と合わせて、第2弾、第3弾の商品開発につなげる方針だ。具体的には、LEDランプの交換が可能であることを活かした電光掲示板や屋外看板、測定機器のランプなどを開発する。
 高槻電器は従来、大手電器メーカーを対象に電子部品のOEM供給を事業の中心に据えていた。しかし、大手メーカーが部品供給先を中国をはじめとする海外にシフト。このため、「売り上げが落ちるとの危機感が募った」(稲葉取締役)ことから今年、自社製品の開発・販売を本格化する方針を打ち出した。
 差込式LEDは、大手電器メーカーなどを対象に供給することも検討する。8月以降、2000個〜5000個の規模でボードゲームの試作販売を行う。秋以降、市場の動きを見ながら生産ラインや営業スタッフを増やす計画。
 今後、2〜3年ほどかけて差込式LEDを市場に浸透させ、売り上げを伸ばしていくという。
 高槻電器は1957年、大阪府高槻市で創業。85年に本社を京都府久御山町の久御山工業団地に移転した。トランジスタ、集積回路(IC)などの電子部品の製造・組立を行っている。岡山、石川、秋田などに生産拠点を持つ。従業員数は400人。年間売上高はおよそ200億円。


◆京都サイクリングツアープロジェクト

 レンタサイクルと自転車の京都観光ツアー事業を手がける京都サイクリングツアープロジェクト(=KCTP、京都市下京区油小路通塩小路下ル、多賀一雄代表)はこのほど、オリジナル自転車を開発、同事業で使う自転車を順次この自転車に入れ替える。KCTPは従来、市販のマウンテンバイクをツアーやレンタサイクルで使っていた。京都の街中を自転車で走る場合、マウンテンバイクほどの性能は必要ないことからオリジナル自転車を開発することを決めた。今後、使う自転車をすべてオリジナルのものに入れ替え、乗りやすい自転車として京都を訪れる観光客の囲い込みを狙う。

 KCTPが従来使っていた自転車は20数段の変速機がついたもの。京都市内の市街地を中心に設定した観光ツアーの場合、坂道などが比較的少ないため、使わないギアもあるという。また、変速機がむき出しになっているためメンテナンスコストがかさんでいた。
 今回開発したのは8段階の変速機がついた自転車。自転車メーカーのアキコーポレーション(大阪府門真市)の協力を得て共同開発した。3色の色を用意。変速機がハブと呼ばれる車軸の中に収まっている点が特徴。市内の緩やかな坂道であれば、「8段もあれば十分」(多賀代表)。また、変速機がハブの中にあるため、「メンテナンスのコストを従来より3分のイ1程度にまで低減することができる」(同)としている。
 KCTPは現在、200台の自転車を保有しレンタサイクルや自転車観光ツアーに使っている。今後、年間に50台のペースで順次、開発したオリジナル自転車に入れ替える。オリジナル自転車は、一般向けの販売も行う。KCTPの多賀代表は「京都を訪れる観光客の7割がリピーター。そのうちの8割が交通事情に不満だ。自転車を使うことで京都を知ってもらいたい」と話す。



◆京都ホテル

 京都ホテル(京都市中京区河原町通二条南入ル、島津忠之社長)は6日、筆頭株主で冷凍食品大手のニチレイが、保有する株式165万株をホテルオークラへ譲渡し、ホテルオークラが筆頭株主になると発表した。また、ホテルオークラは個人の主要株主から15万株を買い受け、合わせて248万9000株を保有する筆頭株主となる。これにより、ホテルオークラの持ち株比率は、24.38%となる。また、ニチレイは今回の譲渡により、200万8400株あまり(持ち株比率19.67%)を保有する第2位の大株主となる。

 ニチレイは1977年、京都ホテルの筆頭株主となった。京都ホテルは、社長など役員派遣の受け入れなど支援を受けながら経営再建に取り組んできた。2001年11月には、集客面を中心に経営再建を加速させるため、ホテルオークラと業務提携。2002年2月には河原町通二条南入ルの「京都ホテル」を「京都ホテルオークラ」に名称を変更し、総支配人など幹部3人を受け入れ、全面的にホテルオークラの運営のノウハウを受け入れる体制を構築した。
 今回の筆頭株主の異動により、京都ホテルは資本面からもホテルオークラの影響が強まるものと見られる。京都ホテルは、「京都での厳しいホテル間競争の中、サービスレベルを向上させるため、ホテルオークラとの関係を密にすることで発展が期待できると考えている」としている。



◆ファルコバイオシステムズ

 臨床検査受託の大手ファルコバイオシステムズ(京都市中京区河原町通二条上ル清水町、赤澤寛治社長)が京都大学発のバイオベンチャー、レドックス・バイオサイエンス(RBS、京都市左京区川端通丸太町下ル下堤町)との連携を強化している。先月28日、同社は、松本昇三取締役をRSBの新社長として派遣すると発表。RBSの「抗ストレスたんぱく質」に関する研究成果や特許は、新薬開発など様々な分野に応用できるとされている。RBSと連携することで、今後、増加する検査・計測の受託をファルコが取り込む戦略だ。

 RBSは6月28日、株主総会を開催し、経営基盤強化のため、松本氏を社長に選出した。この決定を受けて、ファルコは同日、松本氏を2日付けでRBSの常任社長として派遣する人事を発表した。これ以降、松本氏はRBS社長とファルコ取締役を兼任する。RBSは民間企業出身の社長を迎えることで、経営体制の整備を進めるとしている。同社は研究開発の事業拡大に乗り出す方針で、早ければ2年後の上場を目指している。
 RBSは2001年11月、病気などで生体が受ける「ストレス」を緩和する製品の開発を目的に設立された。設立には京大の研究者らが参加している。現在、同社の取締役で、京大ウィルス研究所の淀井淳司教授が研究している抗ストレスたんぱく質「チオレドキシン」を応用した製品の開発を進めている。 チオレドキシンとは、自然界のほとんどの動植物の体内に存在するたんぱく質の一種。がんや循環器系疾患を引き起こす活性酸素(酸化ストレス)から細胞や組織を守る働きをする。このことから、体内のチオレドキシンを調節することによって、様々な病気の予防が可能になるとされている。
 松本氏によると、ファルコは今後、RBSと連携して@開発された機能性食品や新薬の検査・治験A一般研究成果の検査・測定B製品の販路確保――の3分野で協力していくという。
 「ファルコはRBSにとってのラボの役割を担うことになる。今後、増えるであろうRBSの製品の検査・計測を受託する。また全国で約1万5000の開業医を顧客に抱えているので、販路の提供も行う」と松本氏は話す。
 この春、RBSは体内のチオレドキシン濃度を基に、生体が受けているストレスの度合いを計測するキットを開発。医療機関での診断薬として、厚生労働省に認可申請している。認可され次第、ファルコが検査を受託して販売に乗り出すとしている。
 現段階では、連携により生み出されるファルコの年間売上は、数千万円規模。しかし、将来、新薬の治験を受託するようになれば「数億円単位の売上につながるだろう」(松本氏)と期待をのぞかせる。ファルコはRBSとの関係を保つことで、将来、バイオ分野における事業拡大の布石とする考えだ。 ファルコとRBSは2002年、経済産業省が募集した「地域再生コンソーシアム研究開発事業」に共同で参加。ファルコが管理法人となって、RBSや京大ウィルス研究所などが「抗ストレスたんぱく質」研究装置の開発に取り組んできた経緯がある。



◆島津製作所

 
島津製作所(京都市中京区西ノ京、服部重彦社長)は28日、大阪大発のバイオベンチャーで東証マザーズ上場のアンジェスMG(大阪府豊中市、山田英社長)と共同研究契約を締結した。このプロジェクトは、アトピー性皮膚炎に針の無い注射器で薬剤を投与する方法を共同で研究するもの。島津が注射器による投与方法を供給し、アンジェスが治療薬の開発を担当。注射時の痛みが少ない治療方法を開発することを目指すとしている。

 
島津製作所が供給する針の無い注射器は「シマジェット」。同社は2001年9月、糖尿病患者がインスリンを自己注射する際に用いる痛みの少ない注射器としてこの製品を開発した。
 この注射器は、針の代わりにプラスチック製のノズルで薬剤を皮下に注射するもの。具体的には、薬剤に高い圧力をかけてプラスチック製ノズルから霧状に薬剤を噴射。薬剤が直接皮下脂肪内にへ注射され薬剤を投与できる仕組みとなっている。
 従来一般的に用いられている針がある注射器に比べ、痛みが少なく注射痕など、注射した皮膚の周辺が硬化することも起こりにくいという。糖尿病患者は、日に何度もインスリンを自己注射する必要があり、注射の痛みがストレスになっているといわれている。
 今回島津がアンジェスと開発するのは、アトピー性皮膚炎の一種、乾癬と呼ばれる疾患を治療するもの。乾癬は、銀白色の鱗状の皮で皮膚の表面が厚く覆われる疾患。
 アンジェスMGはこれまで、遺伝子の構成成分の一部となっている核酸を用いた治療薬の開発に取り組んできた。この核酸をもちいると、患部の遺伝情報に働きかけ、遺伝子の働きを抑えることができる。遺伝子の働きを抑えることで疾患を治療する方法を開発してきた。
 アンジェスは従来、軟膏を皮膚に塗ることで核酸による遺伝子の働きを抑える方法を開発してきた。しかし、表皮が厚く鱗状の皮で覆われていることから、軟膏の薬剤では表皮から患部へ浸透しない点が課題に。このため、直接皮下へ薬剤を投与できる方法を検討してきたという。
 「シマジェット」を用いると、表皮が厚く覆われている乾癬でも、直接皮下へ薬剤を注射でき、核酸を標的となる細胞に送り込むことができるという。今後、両社は針無圧力注射器を用いた投与方法を開発し、乾癬の治療法を実用化にこぎつける方針という。



◆ワタベウェディング

 ワタベウェディング(京都市下京区烏丸通仏光寺上ル、渡部隆夫社長)は1日、京都市の有形文化財に指定された洋館を借り受け、挙式・披露宴会場として運営すると発表した。同社が国内に直営の挙式拠点を設けるのは13ヶ所目、京都市内では2ヶ所目。同社は今後も国内の挙式拠点の拡充を図る方針としている。

 ワタベが借り受け、挙式・披露宴会場として運営するのは、京都市上京区中筋通り丸太町下ルの「カーニバルタイムズ」。こ土地・の建物は、NTT西日本が所有するものこれまでは、ダスキン子会社のルビフ(大阪府吹田市、岸本実社長)が借り受け、レストランとして運営してきた。
 今回ワタベは、ルビフと店舗の権利売却に合意。1日から、ワタベが直営する挙式会場として運営を始めた。運営にあたり、商標権や店舗、機材、インテリアなどは従来のまま継承。従業員も原則再雇用する。当面は一般レストランとして経営し、随時改装を施した上で本格的なウェディング専門施設として展開。料飲提供も含めた挙式・披露宴プランのプロデュース・販売を行う予定とという。
 ワタベウェディングはこれまで、京都の直営挙式施設として、京都市左京区にある和風建築の「下鴨 葵邸」2000年7月から運営している。
 今回運営することが決まった「カーニバルタイムズ」は、京都市の有形文化財にも指定されている洋館。大正時代に旧京都中央電話局として建てられたもので、レンガ造り外観とアンティークの調度品が特徴という。
 今後、挙式・披露宴だけでなく、パーティ会場としての利用や、結婚式の2次会パーティ会場としての利用を見込む。初年度のウェディング取り扱い組数70組、売上約1億6千万円を見込んでいるとしている。


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