京都企業の動き



◆京セラ


 京セラ(京都市伏見区竹田、西口泰夫社長)は13日、メキシコのティワナ市に北米市場向けに太陽電池モジュールを製造する工場を開いたと発表した。この工場は「京セラソーラー・メキシコ工場」で、同社が海外に置くモジュール生産拠点としては中国・天津に次いで2番目の拠点となるもの。来年4月にはヨーロッパにも生産拠点を立ち上げ、太陽電池モジュールの生産能力を拡大していくとしている。
 京セラは10日、メキシコ・ティワナ市の「京セラソーラー・メキシコ工場」で同工場の開工式を行った。同社からはソーラーエネルギー統括事業部長の湯川勲・執行役員常務が出席したほか、現地の行政関係者らおよそ120人を招待したという。
 この工場は、太陽電池セルを組み立て、モジュールにの生産を行う拠点。モジュールの生産拠点としては三重県の伊勢工場、中国の天津工場に次いで3番目の拠点となり、海外拠点としては2番目。現在同工場は、月産500kWのモジュール生産を行っている。来年中に月産3MWにまで生産能力を引き上げ、北米市場向けに供給する。
 同社はこれまで、日本、中国、北米、欧州の4極で太陽電池の生産を行う計画を策定。来年4月にはチェコのカダン市に製造工場を立ち上げ、4極の生産体制を整える予定。これにより、同社の生産能力は、05年8月に月産20MW(年産240MW)規模になるという。



◆ジーエス・ユアサ・コーポレーション

 ジーエス・ユアサ・コーポレーション(京都市下京区四条通東洞院東入ル立売町、大坪愛雄社長)は13日、燃料電池システムをビニールハウス内での栽培に利用する実証試験を三重県で開始した。来年秋まで試験を行い、2007年までの実用化を目指すという。電力供給のない地域における農業向け電源装置として、需要を見込んでいる。

 この実証試験は、三重県と鈴鹿市がが募集した「燃料電池実証試験補助金制度」の適用を受けて実施するもの。2005年10月まで試験を行い、実用化に向けたデータを集める。
 ジーエス・ユアサは鈴鹿市内にあるイチゴ栽培農家のビニールハウス(約990平方メートル)に、試験用の燃料電池システム(高さ72.5センチ、幅48センチ、奥行85センチ)を設置。冬の日照不足を解消するための電照灯の電源として使用する。
 夜間から翌朝まで、約8時間運転して蓄電。日の出前にハウス内の電照灯を2時間点灯する。また、システムを稼動することで発生する熱をハウス内の温度調整に利用。運転の際に発生する二酸化炭素を、ハウス内に貯蔵することで農産物の光合成促進に役立てるとしている。 
 試験で使用される燃料電池は「直接メタノール型」と言われるもので、アルコールの一種であるメタノールを燃料にしている。電圧は100ボルト、最大1000ワットを電力を作り出すことができる。燃料タンク(230リットル)にある濃度50%のメタノールを、自動的に薄めて同3%のメタノール水溶液を生成。これを直接燃料電池に供給して反応させる。燃料タンクが満タンであれば、補充なしで約2週間の運転が可能だという。
 ジーエス・ユアサによると、燃料電池を農産物栽培用に使用する試みは世界でも例がないとしている。同社は、今回の実証試験で得られたデータをもとに、運用の効果やシステムの耐用性などを見直していくという。また、システムの価格設定や燃料の費用なども検討。試験の結果を見て、07年をメドに実用化を目指すという。
 これにより、電力が供給されていない山間地などにおけるハウス栽培や養鶏場向けの電源装置。電力供給がされている農場での非常用電源としての活用が期待できるという。


◆アオイ自動車

 中堅タクシーのアオイ自動車(京都市左京区山端、仲辻章二社長)はこのほど、同社グループに所属するタクシー車両すべてに、事故の時などに映像を記録するレコーダーを設置した。このレコーダーは、車両に一定の加重がかかると作動。作動時の前後十数秒間の映像を記録できるもの。事故時の状況を映像で証拠に残せるほか、危険運転でも映像が残るため、同社は「事故を減らし、ドライバーに安全運転を意識してもらうことができる」(労務部)としている。

 アオイグループが導入したのは、ドライブレコーダーと呼ばれる機器。京都のタクシー会社の導入は初めてという。アオイ自動車は今年の9月初旬までに、同社が保有するタクシー151台、同社グループのギオン自動車(京都市南区吉祥院)が保有するタクシー60台の合計211台すべての車両に機器の取り付けを完了した。
 機器の大きさはおよそタバコ2箱分ほどで、吸盤を使ってバックミラーとフロントガラスの間に設置する。機器は、小型のCCDカメラと加重を感知するセンサー、メモリーで構成。カメラは広角レンズを用いており車両の前面を映し出せるほか、夜でも鮮明な映像を撮ることができるという。
 このレコーダーは、車両に0.4G以上の加重がかかると、センサーがこれを検知。「ピピッ」という電子音を発生させて作動する。映像は、電子音が発生した時点から、さかのぼって12秒間、音が発生した後の6秒間の計18秒間をメモリーのコンパクトフラッシュカード(CFカード)に記録する。18秒間の映像は、最大で10件までメモリーに記録できる。記録した映像は、専用のソフトウエアで閲覧でき、事故時などに証拠として使うことができる。
 アオイグループではこれまで、平均しておよそ1ヶ月に20件〜30件ほどの事故が発生しているという。事故の瞬間を映像で証拠として残すことにより、相手方との過失割合を正確に算出することにつながる。このため「当事者双方の主張がかみ合わない場合などにも正確に状況が把握でき、正当な事故処理を進めることができる」(労務部)として導入を決めたという。
 ドライバー1人1人に専用のCFカードを1枚づつ貸与。ドライバーは乗務時にCFカードを機器に設置。帰社時にカードを管理部門に渡し、管理スタッフが記録された映像を閲覧する。
 機器は、急ブレーキや急ハンドル、急発進などによる加重でも作動するほか、路面の凹凸による車両のバウンドでも作動することがある。管理部門では、危険運転とバウンドなどによる自然な作動とを見極め、危険運転などがあった場合には直接ドライバーに注意するという。
 同社は、9月初旬の導入以来3ヶ月間の運用で、事故の件数を全体で平均値よりおよそ2割ほど削減することができたという。また、発生時に過失割合を8対2とされた事故で、記録映像の解析により、過失割合1対9と修正した事例もあるという。このほか、運用開始直後に比べ3ヶ月経った現在、危険運転による映像記録の件数がおよそ3割ほど減っているという。


◆京セラ

 京セラ(京都市伏見区竹田、西口泰夫社長)は29日、10月中旬に産業再生機構の活用が決まったダイエー(神戸市中央区、蓮見敏男社長)に対し、正式に支援する意向を表明した。支援は、流通大手のイオン(千葉県千葉市美浜区、岡田元也社長)が主体となり、京セラはマイノリティーの資本参加を行うもの。京セラは「ダイエーの流通網を使えば、消費者向け製品の販路になると考え支援を決めた」(広報室)としている。
 ダイエーは10月初旬、主力取引行のUFJ銀行などの意向により、自主再建を断念。産業再生機構に支援を要請した。先月30日には、グループ傘下のプロ野球球団「福岡ダイエーホークス」の発行済み株式の約98%を、IT関連大手のソフトバンクに売却することで正式に合意した。
 京セラは11月上旬、産業再生機構に対して、イオンが再建の支援について主体的に取り組み、京セラがマイノリティーの立場で資本参加するという枠組みを想定して、ダイエー支援の意向を表明した。支援を表明について同社は「これまで消費者向け製品として宝飾品、セラミックナイフ、カメラ、携帯電話、ソーラーシステムを製造販売している。全国に流通網と小売り網を持つダイエーに資本参加ができれば、販路を確保し販売強化につながる」(同)としている。一方、同社は、「京セラ自体が流通事業に進出するということではない」(同)としている。
 また、京セラはこれまで京セラミタ(旧三田工業)や京セラキンセキ(旧キンセキ)などの再建事例を挙げ、「培った企業再生のノウハウを活用できると考えている」としている。



◆ニルバーナテクノロジー

 
ロボットの制御技術の開発を手がけるベンチャー企業、ニルバーナテクノロジー(京都府相楽郡精華町、中津良平社長)は1日、ロボット開発を手がけるはじめ研究所(大阪市東淀川区、坂本元社長)と共同で新たに2足歩行ロボットを開発、販売をネット上で始めた。このロボットは、音声やジェスチャーによって人間とコミュニケーションできる機能を持つもの。ロボットの動きを簡便に制御することができるため、「初心者でも簡便に太極拳などの複雑な動作をさせることができる」(中津社長)としている。

 両社が開発したロボットは「Tai-chi(たいち)」。高さは37センチで、重量は2.2キロ。全身に21ヵ所の可動部分がある。販売価格は70万円でニルバーナ社のホームページを通じて販売するという。
 このロボットは、太極拳など24種類の動作を行うためのソフトや、パソコン上でロボットの動きをデザインする「モーションエディタ」と呼ばれるソフトが組み込まれている。また、オプションとして、音声でロボットの動きを制御できるソフトなども組み込むことが可能という。
 両社は昨年春、エンターテイメント向けのヒューマノイドロボットの開発に着手。はじめ研究所がロボットの設計を担当し、昨年秋にプロトタイプを開発。これを受けてニルバーナ社が、制御ソフトの開発に乗り出し今春、ソフトを完成させた。
 はじめ研究所はこれまで、2足歩行ロボットの競技会で優勝するロボットを開発・製作するなど、ロボットの運動能力を設計・開発する点で実績がある。ニルバーナ社は、ロボット制御で人間の声を認識させ、動作をさせる技術・ノウハウを保有している。
 今回両社が開発した「Tai-chi」は、2足歩行や起き上がり動作のほか、人型ロボットに要求される基本的な動作機能を備えている。また、21ヵ所の関節を動かすことができることから、人間の動きに近い動作表現が可能となるよう設計している。
 動作制御では、リモコンを利用した動作の指令ができるほか、パソコンに組み込んだ音声認識・応答機能を活用して、音声による会話形式で動作の指示を出すこともできる。
 ニルバーナ社の中津社長は「初心者でも1日あればロボットの組み立てが可能。また、パソコンから簡便に動作を設計できるソフトがあるため、複雑な動作や受け答えをさまざまなバリエーションで行わせることができる。初年度は50台を販売していきたい」と話している。

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