京都企業の動き



◆京セラコミュニケーションシステム

 京セラコミュニケーションシステム(京都市伏見区竹田、森田直行社長)は1日、指紋認証の技術を使ったセキュリティシステムを販売すると発表した。このシステムは、企業や団体などの内部で使われるネットワーク、イントラネット向けに販売するもの。イントラネットにアクセスする際、登録された指紋が合致するかどうかで個人認証を行う。同社は初年度、1億円の売り上げを目指す。
 販売するのは「NET BUREAU」と呼ばれるセキュリティシステムの新バージョン。指紋認証機能を付属させたUSBキーを利用した。
 指紋認証を行うため、確実にアクセスする個人を特定できる。万が一、認証を行うUSBキーを紛失した場合でも登録者の指紋で認証するため、第三者に利用されないほか、不正アクセスを防ぐ。また、利用者はパスワードの管理が不要で、パスワード漏れなどの心配がないという。
 同社は「今年4月に個人情報保護法が施行される。企業で個人情報を保護する取り組みが活発化する。こうした需要に応える」(広報宣伝部)としている。指紋認証機能付きUSBキーは1つのIDにつきオープン価格。システム利用料は、1つのIDにつき月額1890円。契約回線数に応じて、基本利用料が必要になるとしている。


◆ドリコム

 一定のフォーマットでウエブページを簡便に作成できる「ブログ」のシステム開発を手がけるドリコム(京都市下京区東洞院通四条下ル、内藤裕紀社長)と日立製作所(東京都千代田区、庄山悦彦社長)など4社は1日、ブログの活用を企業向けに推進するコンソーシアムを発足させた。この組織は、ブログの認知度を高め、ブログのビジネス利用を促すもの。当面はビジネス用ブログについてのセミナー事業などを行うとしている。

 発足したのは「イントラブログ・コンソーシアム」。ドリコムと日立のほか、ネット関連事業のインキュベーションを手がけるネットエイジ(東京都渋谷区、西川潔社長)、ウエブ技術の開発を行う米シックスアパート社の日本法人シックスアパート(東京都港区、関信浩社長)が参画した。事務局はは日立製作所のブログ関連部署「BOXER GROUP」に設置した。
 コンソーシアムは、ビジネス向けのブログ市場の拡大と、参画する各社の連携による情報力強化を狙ったもの。企業内で実際にブログを活用しているケースを紹介するほか、ノウハウを提供するためセミナーなどを開く。
 ブログは、一定のフォームからコンテンツを登録するだけでウエブページの制作を可能にするツール。従来のホームページ作成に比べ、ブログシステムを使えばプログラミング言語の習得などが不要なため、初心者でも簡単にウエブ上で情報発信をすることができる。また、携帯メールから更新が可能なツールもある。
 ブログのシステムを使うと、更新するコンテンツをカテゴリー別や日付別に閲覧できる。このため、資料保存としての機能にも優れる。ビジネス向けに使えば、個人が持つ知識を社内で共有化することもできる。
 ドリコムはこれまで「コーポレートブログ」という独自のシステムを開発し、ブログのビジネス向け用途を探っている。同社は「4社の中で実際に自社でビジネス向けのブログ開発を行っているのは当社だけ。使いやすさ、機能の充実という点でも強みがある。また、他社とブログ関連の情報を共有することにより、セミナーやイベントを通じてブログ人口を拡大できるほか、用途の事例や活用方法ついて共有できるメリットが大きい」(安藤正樹取締役)と話している。


◆マルハン

 パチンコチェーン最大手のマルハン(京都市上京区出町今出川上ル、鈴木嘉和社長)はこのほど、同社単体での売り上げが1兆円に達したと発表した。同社はこれまで、パチンコホールのほかボウリング場やレジャー施設などを全国に展開。現在、合わせて180店を運営している。同社は今後、「年間で30店程度の出店ペースを保ち、パチンコホール事業の展開を進めていきたい」(社長室)としている。
 マルハンは1月22日、2004年4月1日以降の売り上げが1兆円に達した。05年3月期の決算では、売上高が1兆3000億円に、経常利益は200億円になる見通しという。2月14日現在、同社が運営するパチンコホールは全国で167店舗。このほかに、ボウリング場やレジャー施設など13店舗を運営している。04年3月期の売上高は9281億円、経常利益は205億円だった。
 同社は1957年、現会長の韓昌祐(ハン・チャンウ)氏が京都峰山で喫茶店を開店し創業。その後、ボウリング場やパチンコホールの経営に事業を拡大。02年に東京本社を新設、京都本社との2本社制をスタートした。03年4月には、米ニューヨークタイムズ紙が、韓氏の発言として東京証券取引所に上場する意向である、と伝えていた。


◆パシオ


 就職支援や企業向けの人材研修事業を手がけるパシオ(京都市下京区中堂寺、藤井哲也社長)はこのほど、中小企業向けに新卒人材の定着を促す新事業を始めた。2〜3年ほどで離職する新卒人材を企業に定着させるため、企業の人事担当者向けに研修を行うほか、企業向けに人事体系などのコンサルティングを行うもの。同社の藤井社長は「初年度1000万円の売り上げを目指す。将来的には収益事業の柱に育てる方針」と話している。
 同社はこれまで、セミナーや企業の就職説明会を開くなど学生向けに就職支援事業を手がけてきた。この中で、新卒人材の定着率が低下することを悩む中小企業が多かった。このため「採用数を増やして残った人材を育てるのではなく、採用した人材の定着を支援して企業の担い手として育てる事業にビジネスチャンスがあると考えた」(藤井社長)という。
 今回始める新事業ではまず、企業の人事担当者や経営者を対象に、人材を定着させるためのセミナー事業を始める。このセミナー事業をきかっけに、若手の人材を企業につなぎとめるためのコンサルティングを展開する方針。第一弾として17日、京都市下京区のキャンパスプラザ京都でセミナーを開く。セミナーには、若者の就職意識について研究する人事コンサルタントらを招き、集団討論会を開く予定。
 パシオは2003年9月、藤井社長が中堅人材派遣会社を退社後、「京都起業家学校」を経て設立した会社。
 厚生労働省が2000年に行った調査によると、就職後3年以内に離職する割合は、中学卒が73.0%、高校卒50.3%、大学卒36.5%に達している。


◆立命館大学

 学校法人立命館(京都市北区、長田豊臣総長)は24日、昨年12月に発生したインド洋の地震と津波の被災国に対し、小学校建設の支援を行うと表明した。また、被災国の復興に向けた人材育成にも取り組むほか、防災システムなどの構築に向けた国際シンポジウムを開催するとしている。
 立命館は長田総長を本部長とする「対策本部」を設置。被災国への支援体制を整える。副本部長に、川本八郎理事長と立命館大アジア太平洋大学のモンテ・カセム学長が就任する。
 立命館は、被災国での小学校建設におよそ500〜1000万円の資金がかかると想定。小学校には被災孤児の保護センター併設や、防災対策設備の付設も想定している。
 また人材育成支援では、「下水道の再建や地震の警報システムなどの人材が必要」として研修を行う。立命館はこれまで、中国内陸部の人材育成事業に取り組んでおり、こうしたノウハウを活用するとしている。


◆ローム/京都大学

 
京都大学(京都市左京区、尾池和夫総長)とローム(京都市右京区、佐藤研一郎社長)、パイオニア(東京都目黒区、伊藤周男社長)、三菱化学(東京都港区、冨澤龍一社長)の4者は25日、京大を中心とする包括的な産学連携プロジェクトで、曲面表示が可能なディスプレイと有機デバイスの開発に成功したと発表した。このデバイスは、2002年8月にスタートした京大と大手企業5社との産学融合アライアンスの第1号の開発成果。今後、フレキシブルディスプレイや電子書籍などに応用できるとしている。

 4者が開発したのは、有機発光トランジスタと、低熱膨張透明基板と呼ばれるもの。
 有機発光トランジスタは、有機トランジスタにEL発光機能を持たせた複合デバイス。従来の有機ELに比べ、トランジスタと発光素子を一体のデバイスとして構成するため、部品数を大幅に減らすことができるという。
 京大のほか、千歳科学技術大学が有機半導体材料の面から協力。ロームとパイオニアがトランジスタのノウハウを、三菱化学が有機合成の技術力を供与した。
 また、低熱膨張透明基板は、透明のポリマー材料に生物由来の透明なナノファイバーで補強した基板。100ナノメートル以下の透明なナノファイバーを使うことで、透明性とともに曲げることができるという。京大生存圏研究所、京大大学院農学研究科に加え、三菱化学が保有する透明ポリマー材料のノウハウを融合した。
 京大は02年8月、日本電信電話、パイオニア、日立製作所、三菱化学、ロームの5社と「包括的産学融合アライアンス」を締結。次世代の有機系電子デバイスの開発をスタートさせた。アライアンスでは、5つの分野で21の研究開発テーマを設定。今回のデバイスは、プロジェクトの第1号成果。
 このデバイスは、軽くしなやかで壊れにくいため、モバイル用フレキシブルディスプレイなどに応用が可能という。また、遠隔地から情報を伝達できる電子書籍や電子新聞、電子ポスターなどの製品につながるという。
 京大とアライアンスを締結した5社は今後、こうした製品開発を視野に入れ、今回開発したデバイスの工業化に向けた産学連携の研究開発を進める方針としている。


◆ベロタクシージャパン

 自転車タクシーのベロタクシーを運営する「VELOTAXIJAPAN」(森田記行代表)は2月1日から2週間にわたって、東京・丸の内でベロタクシーの無料運行を始める。この運行は、試験的に行うもの。今春にも本格的な有料運行を始める方針という。
 丸の内での運行開始では、コーヒーショップチェーンのスターバックスコーヒージャパン(東京都渋谷区、角田雄二CEO)、NPO法人大丸有エリアマネジメント協会(東京都千代田区、小林重敬理事長)が協力。利用者は無料でベロタクシーに乗ることができる。
 運行台数は3台で、毎日12時〜16時まで利用可能。乗車定員は大人2名、子供1名まで。特定の停留所などは設置しないが、丸の内ビル南西角近辺(文部科学省ビル側)から乗車してもらう。利用方法は、タクシーと同様で空いている自転車に手を挙げて合図を送ると停まる仕組み。丸の内界隈に立地するスターバックスのショップおよそ10店舗とその近辺まで乗ることができるという。
 ベロタクシーは2002年4月、国内では京都で最初に運行を開始した。一律300円で、エリア内の希望地まで乗ることができる仕組みで、運賃収入に合わせて車体に掲載する広告収入で収益構造を築いている。これまでに、大阪や奈良などでも運行している。

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