| 2004.2.3 「京都・再生の世代」交流会キックオフイベント 特別講演 「Power&Speed」〜フルスピードで走ってみよう。そして自分自身を信頼しよう〜 京都商工会議所副会頭・株式会社堀場製作所取締役会長 堀場雅夫様 ![]() ![]() ![]() 本日は「再生の世代」キックオフイベントにお招きいただき喜んで参上しました。しかし私はもう賞味期限が切れていて(笑)、お役に立つ話ができるかが疑問ですが・・・。 人は会社や世の中の景気がどうであれ、未来に対してハッキリとした自信・確信を持っていたり、夢が開けていく実感があるときは、とても元気で意気軒昂です。いま日本に閉塞感が漂っているのは、全体として自信や確信が持てず、夢への道のりが見えないからに他なりません。 「21世紀は20世紀の延長線上にはない」とよく言われますが、変えなければならないことは日本の「単一価値観」だと思います。20世紀は「アメリカに追いつけ追い越せ」と、みんなの力とベクトルを合わせて、わずか戦後50年間で世界2番目の経済大国を作り上げました。 しかしアメリカという目指すものがなくなったこれからは「単一価値観」ではやっていけない。1億3000万人が同じことを考えていては新しいものは絶対に生まれないからです。私はこの20年間ベンチャービジネスの振興に努めてきましたが、それでも「日本のサクセスストーリー」はまだ変わっていない。良い学校に入って高級官僚や大企業のサラリーマンになる、医者や弁護士になる…。 若い人が意識を変えても親が出てきて止めてしまう。最近でもベンチャーの道に進もうとするある学生の親御さんから、「うちの息子をたぶらかさないで!」とクレームを受けたこともあります(笑)。 東京一極集中も単一価値観ですね。大阪の上場企業で東京に本社機能を移していないのは関西電力、大阪ガス、近畿日本鉄道、NTT西日本…(笑)。京都の上場企業で東京に本店を移した会社はひとつもりません。それをすると「都落ち」と言われるんです(笑)。 21世紀のキーワードは「個」です。20世紀は「集団=パワー」、アメリカと言う師匠があったから「集団の力」が活きましたが、その見本がなくなれば新しいものを自分で作っていかなければならないのです。 20世紀の日本はまず「水」(=集団)ありきで、良く調べるとそれは「水素」と「酸素」からできていた、という考え方でやってきたんですね。21世紀は「水素」「酸素」(=個)ありきです。それぞれが単独でもしっかり仕事ができる。しかしまったく相容れず、限りなく個性豊かな「元素」どうしがぶつかって、まったく新しい「水」が生まれる。 これを21世紀の日本のパワーにしなければならない。いろんな「元素」があるからこそ無限の「分子」が生まれる。だからこそ「元素」である一人ひとりが、強いアイデンティティを持って欲しいのです。 人間には神から与えられたいろいろ特徴・特性を持っているのです。それを自らで見出して磨いて、それで世の中で勝負をかける。嫌々勉強なんてしても絶対に身についていかないんです。好きなことだからこそ技術も向上すれば、人も集まってきて、結果として成果がでる。 なぜ仕事が終わったときに「ご苦労さま」「お疲れさま」って言うんでしょう? 私はそう言われると「好きでやっとんねんから、疲れてへん!」と思ってしまうのです。仕事は「苦労」であり「疲れる」こと、そういう先入観が入ってしまっているんですね。「仕事は、“イヤやなこと”やから、苦労が多くて、疲れるもの」…。 イヤなことをしたら絶対にダメなんです。たった1回の人生ですから、好きなことをやりましょうよ。 ただ問題は「イヤや、イヤや」という人は、「上司が悪い」「雰囲気が悪い」と、目の前のことに本当に渾身の力を込めて取り組んでいないケースが多いということです。本当に目一杯まで没頭してみると、結構おもしろさに気づいたり、好きになってきたりするものなんです。 5年ほど前、ある1年間のテレビ番組で、週に一人の元気なベンチャー経営者にインタビューしていたことがあります。のちのちに成功された経営者にはいくつか共通点があることに気づきました。これは企業で成果をあげる人にもあてはまる部分は多いでしょう。 いろいろあるのですがその最大のものは「自分の仕事が好きで好きでたまらない」ということです。だからこそ体も疲れないし、能力もあがるし、発想も湧き上がってくる。 アウトソーシングの活用も特徴です。自分の力・特性を知って自分の最も得意にすることだけに極限まで力を注いでいるのです。自分が不得意なことは、それを得意にする人に任せていく。「スピード重視」も共通です。大企業とベンチャー企業が持っている資産で、差がないのは「時間」だけだからです。 20世紀は、スピードとパワーは比例すると考えられていました。ただ自動車に200馬力のエンジンをつけても300キロを出すのが限界です。それをプロペラ飛行機につけると400キロが出ます。乗り物の形体によって同じパワーで出るスピードは違ってくる。プロペラ飛行機に1万馬力のエンジンをつけても音速は出ない。ところが200馬力の「ジェット」エンジンをつけると音速を超えられる。同じ馬力でも推進方式を変えればスピードがケタ違いになる。同じ馬力の「ロケット」エンジンを使えば引力圏まで飛び出せるのです。 「私にはそんなスピードは出せません」と言いますが、たとえ同じパワーしかもっていなくても、乗り物や方式を変えればスピードは出るということなんです。つまりしっかり自分の力を見極めてそれをどう使うのか?ということを考えるのが大切なのです。。自分のエンジンは自動車用にしか使わないのか? ジェット機に使うのか? ロケットに使うのか?…。決して「私の力はこんなものです」と言ってはいけない。日本人は自分の力を過小評価しすぎるのです。自分のパワーの極限を試して欲しいのです。 みなさんの世代はこれまで自分を極限の状態に置く必要もなかったし、置こうともしてこなかった。しかしそれでは自分の持っているパワーがわからないのです。限界に挑戦している人は医学的に見ても考えられない力を発揮するのです。人間の能力なんて誰にもわからないのです。 平均的に言って、人は持っている能力の3分の1くらいか使っていないのです。車で言えばアイドリング+αくらいでしか動いていない。フルスロットルで走ってみたこともないのに限界を決めてしまっているのです。もし車に心があればかわいそうですよ。人間はもっとかわいそうですよ。せっかくの人生を、自分のパワーの3分の1、へたをすると10分の1しか使わないまま終えてしまう。 まだまだ我々にはパワーがあるんです。あと3倍はパワーを出せる、10倍は出せる、そう考えて新しい境地を開いていって欲しいと思うのです。 時間になりました。ご静聴ありがとうございます。 |
| 過去のイベントレポートへ |
| トップページに戻る |